アマゾン、低炭素型電気燃料をトラック輸送に導入

アマゾン、低炭素型電気燃料をトラック輸送に導入へ

9月20日、アマゾンは、再生可能燃料技術企業Infiniumと、2023年からアマゾンの輸送車両に超低炭素の電気燃料を供給する契約を締結した。アマゾンは、二酸化炭素の廃棄物と再生可能な電力で作られるInfiniumの電気燃料を、ディーゼル燃料の代わりにトラックの動力として利用する。Infiniumは年間約500万マイルの移動に十分な量を供給する見込みだ。

今回の合意は、輸送ネットワークを化石燃料から脱却させ、より持続可能な方法で顧客に荷物を届けるというアマゾンのコミットメントをさらに前進させるものだ。アマゾンはまず、南カリフォルニアのミドルマイル・フリートのトラックに電気燃料を使用する計画。同トラックは数百万人の顧客へのサービスに貢献することが期待されている。アマゾンのミドルマイル・フリートは、顧客の注文をベンダーやフルフィルメント・センターから仕分け・配送ステーションのネットワークに運ぶ役割を担っている。

国連によると、輸送部門は現在、世界の全炭素排出量の約25%を占めている。この状況を改善するため、Infiniumは、エンジンを改造せずに貨物トラック・飛行機・海上輸送に簡単に使用できる超低炭素燃料の開発を行っている。

Infiniumはテキサス州に世界初の電気燃料生産施設の建設を計画している。本施設では、再生可能エネルギーで発電されたグリーン水素と、大気中に放出されていた年間約18,000トンの再生炭素廃棄物を使用して、電気燃料を製造するという。

アマゾンは、The Climate Pledgeへのコミットメントの一環として、2040年までにネット・ゼロ・カーボンを達成することを約束しており、今後も脱炭素化のための実際のビジネス・アクションを続けていく予定だ。 Infiniumは、アマゾンが新たな気候変動対策に投資した一例であり、同社は間もなくその技術を活用して二酸化炭素排出量の削減に貢献する予定だ。

Infiniumとの提携に加え、アマゾンはネット・ゼロ・カーボンに向けて以下に示されているような他の重要なステップも踏んでいる。

  1. アマゾンはPlug Powerと契約を結び、2025年から同社の輸送とビル運営に年間10,950トンのグリーン水素を供給することを決定した。アマゾンは今後、灰色水素、ディーゼル燃料、その他の化石燃料の代替としてグリーン水素の使用を開始する。本グリーン水素供給契約により、フォークリフト3万台または長距離輸送用の大型トラック800台分の年間電力が供給される予定だ。
  2. アマゾンは、The Climate Pledge Fundを通じて、排出ガスを出さない大型輸送用グリーン水素を製造する主要技術である電解槽の最も有望な開発企業であるElectric HydrogenとSunfireに投資している。
  3. アマゾンはRivianに10万台の電気配送車を発注しており、電気配送車としては過去最大の発注台数を記録している。アマゾンはこの夏からRivianのカスタム電気配送車を米国で走らせ始め、今年末までに米国の100以上の主要都市で数千台の配送が行われる予定だ。

【参照ページ】
(原文)Amazon to Bring Low Carbon Electrofuels to its Trucking Fleet

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