6月19日、欧州最大級の資産運用会社であるリーガル&ゼネラル・インベストメント・マネジメント(LGIM)は、100社以上の「ダイアルムーバー」企業(規模や各セクターの気候変動対策を促進する可能性に基づいて対象企業を選定)に期待する一連の項目を発表した。
ダイアルムーバー企業リストが60社から105社へと大幅に増加したことに加え、これらの企業への期待は、ネット・ゼロ目標の設定や気候関連の情報開示に加え、生物多様性リスクや気候ロビイングを取り入れるよう拡大されている。
現在、企業への期待としては、中間目標を含む移行計画を含む包括的かつ認証済みのネット・ゼロ目標の設定、企業のネット・ゼロ計画に組み込まれた行動や投資の開示、役員報酬が排出目標に沿ったものであるかどうかの開示、気候変動ロビー活動(業界団体への加盟、団体のロビー活動が1.5℃シナリオに合致しない場合の行動計画など)の開示がある。生物多様性とネット・ゼロ戦略の間に明確な関連性があるセクターの企業については、影響と依存関係を評価することが期待され、移行が直接的な社会的影響を及ぼす可能性があるセクターの企業については、LGIMは脱炭素戦略に正当な移行要素を組み込むことを期待する。
新しい期待は、LGIMの気候への関与とスチュワードシップ・プログラムの活動やイニシアティブを概説する「気候への影響に関する誓約」報告書の発表とともに発表された。同報告書では、LGIMの気候変動に関する誓約プログラムが大幅に拡大していることが示されており、現在では、20の「気候変動の影響を受ける」セクターにおいて、前年比5倍以上の5,000社以上を評価しており、299社が、気候リスクに対処する最低基準を満たさないことを理由に年次総会投票制裁の対象とされている。
また、LGIMは、43社の「ダイヤルムーバー」に対して議決権行使の制裁を適用し、中国国際航空とCOSCO Shipping Holdingsの2社をダイベストメントリストに加えた一方、同社がLGIMの直接関与を受けて森林破壊政策を発表し、2050年までにカーボンニュートラルにすると約束したことから中国Mengniu Dairyの1社を復権したと発表した。
AIG、中国建設銀行、中国資源セメント、エクソンモービル、ホーメル、中国工商銀行、インビテーション・ホームズ、KEPCO、ロブロー、メットライフ、PPL、シスコの12社は、依然として投資売却リストに残っている。
【参考ページ】
(原文)LGIM Sets Climate, Biodiversity & Lobbying Expectations For “Dial Mover” Companies
(日本語訳)LGIM、「ダイヤルムーバー」企業に気候、生物多様性、ロビー活動への期待を表明