RBC、ローンブックにおける排出量削減の目標を設定

10月26日、カナダロイヤル銀行(RBC)は、石油・ガス、発電、自動車など、炭素集約的なセクターに対する新たな中間融資による排出量削減目標を発表した。

この新しい目標は、2050年までに融資ポートフォリオでネット・ゼロを達成するというRBCのコミットメントの一環をなすものである。同行は2021年2月に、2025年までに持続可能な金融で5000億ドルを動員する目標とともに、ネット・ゼロのコミットメントを発表した。

RBCの2030年の新たな目標には、石油・ガス部門の排出量に占める割合が最も大きい石油・ガス上流、下流、総合部門において、スコープ1と2を35%削減し、排出量原単位を11%~27%改善することが含まれている。また、製造と金融を含む自動車部門では、スコープ1、2、スコープ3(タンク・トゥ・ホイール)の排出量を合わせて47%削減することを目標としている。

この中間目標は、国連が提唱するネット・ゼロ・バンキング・アライアンス(NZBA)のメンバーとして、銀行が融資活動を通じて世界のネット・ゼロ目標を推進するためのコミットメントとも合致している。RBCは2021年10月に、カナダの同業銀行であるBMO、CIBC、ナショナル・バンク・オブ・カナダ、スコシアバンク、TDとともに、NZBAに加盟した。

また、同行は、2025年までに5,000億ドルの持続可能な金融を提供するという戦略の概要を示す「持続可能な金融フレームワーク」を発表した。このフレームワークは、目標に向けたパフォーマンスを分類、追跡、開示するためのRBCの基礎を概説しており、グリーン活動や社会活動に向けた専用の目的型融資から、サステナビリティに焦点を当てた「純粋な」事業体向けの一般企業目的融資、サステナビリティとリンクした取引など、様々な形態のサステナブルファイナンスの適格基準を含んでいる。

【参照ページ】
(参考記事)RBC releases 2030 targets to reduce emissions intensity from carbon-heavy industries
(日本語訳)RBC、ローンブックにおける排出量削減の目標を設定

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-9-16

    セブン&アイHD、TCFD・TNFD統合開示を公表 財務インパクトの試算と自然資本分析も深化

    9月8日、セブン&アイ・ホールディングスは、「気候・自然関連情報報告書―TCFD・TNFD統合開示…
  2. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る