4月11日、電池材料を開発するAllotrope Energyは、木材などのバイオマテリアルから高レートの電池材料を製造する技術を発展させることを目的として、Suzano Venturesからの投資により670万ドル(約9億円)を調達した。

Suzano Venturesは、パルプ・紙メーカーのSuzanoが2022年に立ち上げたグローバルベンチャーキャピタルで、ユーカリバイオマスの新しい用途、持続可能なパッケージ、林業技術、炭素などの分野で初期段階の企業に投資している。本発表は、同ファンドの最初の投資となる。

2016年に設立された英国のAllotropeは、他のリチウムイオン技術に関連する安全上の危険性を低減しながら、内燃機関車の燃料補給と同様に大幅に速い充電時間を可能にするエネルギー貯蔵アプリケーション用の高レート炭素アノードの能力を大幅に改善できる技術を開発している。

同社の技術の電池材料は、生体材料から抽出した炭素から作ることができ、両社は、Suzanoのパルプ製造工程で副産物として生産される生体材料から炭素を抽出することを示した。また、本技術では、コバルト、ニッケル、希土類金属など、サプライチェーン不足やコスト上昇などの課題を抱える材料の使用を回避することができる。

また、AllotropeとSuzanoがパートナーシップ契約を締結し、ブラジルとカナダにあるSuzanoのチームがAllotropeの技術の革新と商業化を支援し、電池のグローバルなサプライチェーンと市場の開拓を支援すると述べている。

【参照ページ】
(参考記事)UK’s Allotrope Energy raises ‘up to’ $6.7 million to make batteries from trees as it enters a partnership with pulp producer Suzano
(日本語訳)木から電池を作るスタートアップAllotropeが670万ドルを調達

関連記事

おすすめ記事

  1. 【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    2025-9-11

    【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    気候変動や自然資本など、環境領域に関する開示が進みつつある中、次なるテーマは「社会」の領域。TIS…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…

ピックアップ記事

  1. 2025-11-14

    【最新】欧州議会、CSRD・CSDDD簡素案を採択

    11月13日の欧州議会の本会議にて、CSRDおよびCSDDD(企業サステナビリティ報告およびデュー…
  2. 2025-11-13

    GX-ETS:割当調整・移行計画・価格制御の方向性が明らかに

    11月7日、経済産業省は、第5回産業構造審議会イノベーション・環境分科会 排出量取引制度小委員会を…
  3. 2025年・COP30開幕!サステナビリティ経営・実務における注目テーマ整理/実務への影響解説

    2025-11-11

    2025年・COP30開幕!サステナビリティ経営・実務における注目テーマ整理/実務への影響解説

    11月10日から21日まで、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の第30回締約国会議(COP30)…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る