Alphabet、過去最大の企業向けサステナビリティボンドから約7,800億円を調達

Alphabet、過去最大の企業向けサステナビリティボンドから約7,800億円を調達

8月16日、Googleの親会社であるAlphabetは、「Sustainability Impact Bond Report 2022」を発表し、2020年に発行した57億ドル(約7,823億円)のサステナビリティボンドの資金配分を完了したことを示すとともに、その展開内容を概説した。債券の収益による主な投資分野には、グリーンビルディングや再生可能エネルギーなどが含まれる。

Alphabetの2020年8月の発行は、企業の発行体としては過去最大規模となった。

同社のサステナビリティボンドフレームワークによると、この発行による収益の適格な用途には、エネルギー効率やクリーンエネルギーから手頃な価格の住宅やCOVID-19対応まで、8つの「グリーン」「ソーシャル」カテゴリーが含まれている。

新しい報告書では、約53億ドル(約7,274億円)の環境関連投資の概要が示されており、残りは社会関連カテゴリに割り当てられている。

投資額のトップは「グリーンビルディング」で、14棟のグリーンビルディング(総面積807,000平方メートル)の設計、建設、改良に関連する投資額が約25億ドルとなっている。この中には、3大陸で合計45件の電力購入契約(PPAS)が含まれており、その合計容量は約5.3GWとなっている。

Alphabetは、再生可能エネルギーのPPAにより、CO2換算で約2500万トンの排出を回避できると試算しており、2030年までに100%カーボンフリーのエネルギーで事業を運営するというコミットメントを後押ししている。

また、3大陸にまたがる4つのデータセンターにおけるエネルギー効率の高い施設やインフラの拡張・改善に関連する資本支出を通じて、エネルギー効率に10億ドルを割り当てた。また、「クリーンな輸送」と「循環型経済とデザイン」のカテゴリーには、それぞれ2200万ドル(約30億円)と800万ドル(約11億円)を割り当てた。

社会面では、Alphabetが中小企業への融資を行う契約コミットメントに1億8500万ドル(約247億円)を割り当て、その結果、中小企業への融資が49,950件成立すると試算している。黒人の経営者を支援する組織への寄付や黒人のクリエイターやアーティストへの支援など、15の人種平等イニシアチブに1億4800万ドル(約204億円)が割り当てられ、合計21の手頃な価格の住宅プロジェクトに8300万ドル(約114億円)の契約コミットメントが割り当てられた。

【参照ページ】
Sustainability Bond Impact Report

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