WBCSD、食品大手9社と食品の値ごろ感を高める施策を提言

7月15日、持続可能な発展のための世界経済人会議(WBCSD)と、食品と農業のバリューチェーンで活動する大手企業9社は、食品の値ごろ感を高めるための4つの主要分野を概説したペーパーを発表。本ペーパーには、食料と農業のバリューチェーンに沿った様々なステークホルダーが、食料の値ごろ感とアクセス性を向上させるためにどのように協力できるかを示したビジネス・ケーススタディが含まれている。

2022年版SOFIレポートによると、食糧不安は世界中でエスカレートし続けており、2021年にはすでに2億1600万人が危機的レベルの急性食糧不安に直面している。WBCSDは、すべての人が栄養価の高い食料を手頃な価格で入手できるようになることを目指し、多くの人にとって健康的な食生活がなぜ手の届かないものなのか、また、どのようにして企業が食料の値ごろ感を改善できるのかを検証している。

本ペーパーでは、企業が食品の値ごろ感を高めるために行動できる4つの主要分野について概説している。

  • 気候変動に強い新品種を開発し、気候変動に最も適応できる多様な作物と品種を使用することで、気候変動への耐性を強化する。
  • フードサプライチェーン全体でイノベーション能力とノウハウを活用し、農家がより良い農業技術とポストハーベスト技術を採用できるようにし、収穫高にプラスの影響を与え、食品の損失と廃棄を削減する。企業はまた、製造および流通経路の効率性を追求し、都市部および農村部の消費者に安全で手頃な価格の栄養価の高い食品を提供する。
  • 持続可能な食料システムの中で健康的な食生活を支えるために、栄養価の高い食品の消費について協力し、提唱する。
  • 価格引き下げにとどまらず、経済的不安定に陥りやすい人々の生活向上に役立つプログラムに投資する。

【参照ページ】
(原文)A new paper by WBCSD highlights the role of the food industry in making healthy diets more affordable
(日本語訳)WBCSDの新しいペーパーは、健康的な食生活をより安価にするための食品産業の役割に注目しています。

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