HSBCとアパレル企業PVH、持続可能なサプライチェーンファイナンスプログラムを開始

6月29日、HSBC銀行USAと、Calvin KleinやTommy Hilfigerなどのファッションブランドを所有するアパレル企業PVHは、PVHのサプライヤーに対し、サステナビリティ評価に基づいて資金を提供する、持続可能なサプライチェーンファイナンスプログラムの開始を発表した。

両社によると、本プログラムは環境と社会の両方の目標に結びついた初のサプライチェーンファイナンスプログラムとなる。

アパレル・ファッション企業にとって、サプライチェーンの問題は、労働や人的資本の問題がある地域にサプライチェーンが集中することによる社会的リスクや、水使用、排水、温室効果ガス(GHG)排出などの環境問題など、サステナビリティに関する重要な課題となっている。PVHのサステナビリティプログラム「Fashion Forward」では、2030年までにサプライチェーンからのGHG排出量を30%削減すること、2030年までにすべてのサプライヤーが社会的・環境的サステナビリティ基準を満たすこと、2025年までにサプライヤーの100%が安全で健全な労働環境を促進することを目標としており、多くの取り組みがそのサプライチェーンを対象としている。

本プログラムのもとでのサプライヤーへの融資は、科学的根拠に基づく一連の環境目標と、健康で安全な労働環境、報酬と福利厚生、強制労働、児童労働、嫌がらせや虐待などの雇用問題を含む社会的要素に結び付けられることになる。パフォーマンス評価は、人権や労働基準に対する施設の労働条件のパフォーマンスを測定するSLCP(Social Labor Convergence Program)や、エネルギー使用、GHG排出、水使用、廃水、廃棄物管理、化学物質管理、環境管理システムなどの要素を評価するSAC (Sustainable Apparel Coalition) のHigg Facility Environmental Moduleなどの業界連携ツールに基づいて行われる予定だ。

【参照ページ】
(原文)PVH Corp. and HSBC Partner on First Sustainable Supply Chain Finance Program Tied to Environmental and Social Factors

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-7-2

    シェルパ、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)理事・小森氏をゲストにウェビナー「ISSBが示すサステナビリティ情報開示の考え方」を実施

    - ISSB基準に関する最新動向から企業価値向上に向けた戦略的情報開示についてまで、講演と対談を通…
  2. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  3. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…

ピックアップ記事

  1. 2025-7-8

    欧州198団体がサステナブルファイナンス規制の骨格維持を要請

    7月1日、欧州持続可能投資フォーラム(Eurosif)を含む198の投資家・企業団体は、EUのサス…
  2. GRI労働関連基準の改訂状況と人的資本開示との対応関係を解説

    2025-7-7

    GRI労働関連基準の改訂状況と人的資本開示との対応関係を解説

    GRI(Global Reporting Initiative:グローバル・レポーティング・イニシ…
  3. 2025-7-7

    ノルウェー政府、2035年に温室効果ガス70〜75%削減目標を提出

    6月26日、ノルウェー政府は、パリ協定の下で2035年に向けた新たな国が決定する貢献(NDC)を国…

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る