6月22日、Net-Zero Asset Owner Alliance(NZAOA)は、26日からベルリンで開催されるG7首脳会議に先立って発表した文書の中で、政府政策の再設計を支え、高排出活動からの転換を促すための5つの原則を提示した。
今回提示した5原則は、「適切な野心」「公正な移行(ジャスト・トランジション)」「価格の予見可能性」「競争力」「国際協調」だ。その中で、政策立案者は、気候変動の科学に沿った法的拘束力のある炭素価格を導入できると述べている。炭素価格に関するハイレベル委員会の報告書によると、世界の気温を2℃以下に保つためには、2030年までに炭素価格を50〜100トン程度にする必要がある。
NZAOAは、移行によって影響を受ける不利な立場にあるコミュニティの人々を保護するために、政府は再教育、一時金の給付、所得税の引き下げなどを通じて、その影響を軽減する炭素価格政策を設計するべきだと述べた。政府はまた、企業が低炭素経済への移行を計画するのに役立つよう、より予測可能な価格シグナルを提供する必要がある。例えば、時間の経過とともに方向性を示す価格コリドーを設定するなどである。
国内の排出量の多い企業が移行する際に保護し、産業界が汚染に対して罰則のない地域に移動するカーボンリーケージを防ぐために、政府は欧州連合が提案しているように、炭素国境調整メカニズムを利用できるだろう。さらに、この問題に協力している国による「気候クラブ」を通じて、より大きな国際協力が築かれる可能性があるとも述べている。
「同盟は、各国政府がパリ協定の目標に向けた経済全体の調整のための基礎を提供する…原則に沿ったカーボンプライシングを実施すべきだと考える」と、同団体は白書で述べている。2015年のパリ協定は、地球温暖化を2℃を大きく下回り、理想的には1.5℃に抑えることを求めている。
【参照ページ】
(原文)NET-ZERO ASSET OWNER ALLIANCE POSITION PAPER ON GOVERNMENTAL CARBON PRICING
(日本語訳)ネット・ゼロ・アセット・オーナー・アライアンス ポジション・ペーパー