6月22日、グローバルなオルタナティブ資産投資家であるBrookfield(ブルックフィールド・アセット・マネジメント)は、ネット・ゼロに焦点を当てた初のインパクト・ファンドであるブルックフィールド・グローバル・トランジション・ファンドの最終クローズで150億ドル(約2兆円)を調達したと発表した。
国連気候変動対策・金融特使、ブルックフィールド副会長兼移行投資責任者のマーク・カーニー、ブルックフィールド・リニューアブルズCEOのコナー・テスキーが主導するこのファンドは、炭素集約型産業の転換とクリーンエネルギーの開発・普及に投資しながら、高いリスク調整後収益の実現を目的としている。
当ファンドは、温室効果ガス(GHG)排出量とエネルギー消費量の削減、低炭素エネルギーの生産能力の拡大、持続可能なソリューションなどに重点を置いている。同ファンドはこれまでに約25億ドル(約3,369億円)を投じ、米国およびドイツの太陽光発電・蓄電池開発企業の買収、二酸化炭素回収・貯蔵開発企業への投資、英国の蓄電池プロバイダーとの開発提携などの投資を行っている。
本発表は、世界の主要なプライベート・エクイティ企業が、ネット・ゼロへの移行機会を狙った投資に数十億ドルを投じている流れを受けたものだ。プライベート・エクイティ企業の Apollo と Blackstone はそれぞれ、今後10年間でエネルギー転換と気候変動対策に1000億ドル(約13.5億円)の投資機会を見込んでいると最近発表し、過去数カ月の間にエネルギー転換に特化したプラットフォームを立ち上げている。カーライルとテマセクも最近、エネルギー転換と脱炭素に焦点を当てた投資プラットフォームを立ち上げ、今月初めにはブラックロックが、グリーン経済への転換によってもたらされる段階的な機会によって推進される新しいインフラ投資戦略の立ち上げを発表した。
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【参照ページ】
(原文)Brookfield Raises Record $15 Billion For Inaugural Global Transition Fund
(日本語訳)Brookfield、過去最大のネット・ゼロ移行ファンドで150億ドルを調達