EU理事会、世界的な食料不安に対する支援策を表明

6月20日、EU理事会は、食糧安全保障に及ぼす最悪の影響に対処するために、世界のパートナーとともに世界的な食糧不安に対するチーム・ヨーロッパの対応に関する結論書を承認した。

結論において、理事会は、弱い立場にある人々が前例のないレベルの食糧不安に直面していることに深い懸念を表明している。ロシアのウクライナに対する不当な、いわれのない、違法な侵略戦争は、食糧安全保障の危機を劇的に悪化させた。ロシア軍はウクライナの耕地を砲撃し、占領し、農場、貯蔵施設、食品加工施設、設備、輸送インフラを破壊している。彼らはウクライナの港を封鎖し、世界市場への何百万トンもの穀物の輸出を阻んでいる。

EUとその加盟国は、最も被害を受けたパートナー諸国と連帯し、対応能力があり、責任感があり、信頼できるグローバルなアクターとして支援を強化していく。この精神に則り、EU理事会は、世界的な食糧不安に対して、以下の4つの行動からなる「チーム・ヨーロッパ」としての対応を要請する。

①緊急支援と経済的余裕のための支援を通じた連帯
②持続可能な生産、回復力、食糧システムの転換を促進
③ウクライナがさまざまなルートで農産物を輸出するのを支援し、世界貿易を支援することによる貿易の円滑化
④効果的な多国間主義、および世界的な取り組みを調整する国連の世界危機対応グループの中心的な役割への強い支持

ロシアの世界市場への食糧輸出に対するEUの制裁はない。EUの制裁は、ロシアの農産物の輸入や輸送、ロシアの輸出品に対する支払い、第三国による種子の提供を禁止するものではなく、制裁対象の個人と団体を対象とするだけである。制裁は、特に食品や農産物を対象としないように設計されており、関連する場合、分野別の禁止事項には、これらの製品に関する特定の例外が含まれている。EUの制裁措置は、第三国や第三国の非EU事業者には適用されない。

【参照ページ】
(原文)Global food insecurity: Council approves conclusions on the Team Europe response
(日本語訳)EU理事会、世界的な食料不安に対する「チーム・ヨーロッパ」の対応に関する結論に合意

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