炭素貯蔵検証技術のYard Stick、約17億円を調達

炭素貯蔵検証技術の新興企業ヤードスティックが約17億円を調達

11月29日、土壌炭素測定技術企業のYard Stick PBCは、シリーズA資金調達ラウンドの終了時に1200万ドル(約17億円)を調達したと発表した。調達資金は、土壌炭素隔離プロジェクトの説明責任と効果を高めるという同社の使命を加速させるために使用される。

2021年に設立されたカリフォルニア州に本拠を置くYard Stickの土壌炭素測定ハードウェアとソフトウェアは、土壌中の炭素隔離をサンプリング、定量化、検証する。この技術は、農業サプライチェーンの脱炭素化や、自主的な炭素市場を利用した排出オフセットを目指す企業に、第三者による検証を提供する。Yard Stickは、深さ1メートルまでの土壌有機炭素を提供し、統計的に健全なサンプル計画を作成し、リアルタイムで測定データを収集することができ、他のプロバイダーより70~90%低いと述べた。

カーボン・オフセット・プロジェクトと関連クレジットに対する需要は、今後数年間で大幅に増加すると予想される。企業やビジネスがますますネット・ゼロの野望を打ち出し、自らの絶対的な排出削減努力への橋渡しとして、あるいは排出回避が困難なバランスをとるために、炭素除去プロジェクトなどのオフセットに目を向けるようになるからだ。しかし、規制がなく急成長しているこの市場は、市場参加者が質の高いプロジェクトと低いプロジェクトを区別できず、プロジェクトの有効性を評価するためのデータが不十分であったり、一貫性がなかったりするなど、一連の課題に直面している。

Yard Stickのソリューションは、低コストでリアルタイム、かつ統計的に正しい検証を可能にすることで、土壌をベースとした隔離プロジェクトの規模拡大における重要な障壁のひとつに対処することを目的としている。

シリーズAラウンドの最終トランシェに参加した投資家には、気候変動に配慮したベンチャーキャピタルのExtantiaが含まれる。このラウンドには、トヨタ・ベンチャーズ気候基金、マイクロソフト気候イノベーション基金、自然保護団体、Lowercarbon Capital、Breakthrough Energy Ventures、Pillar VC、気候変動に熱心な創業者、エンジェル、ファミリーオフィスなどの投資家も参加した。

【参考ページ】
(原文)Yard Stick Raises $12 million to Improve Soil Carbon Measurement
(日本語参考訳)炭素貯蔵検証技術のヤードスティック、約17億円を調達

関連記事

“ホワイトペーパーへのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2024-7-23

    シェルパ、東洋経済新報社とシステム連携契約を締結

    7月23日、シェルパ・アンド・カンパニー株式会社が開発・提供する企業向けESG情報開示支援クラウド…
  2. 2024-7-17

    GRI、新たにCSRD/ESRS開示のためのサポートサービスをリリース

    7月10日、GRI(Global Reporting Initiative)は、新しいGRI-ES…
  3. 2024-7-17

    JCI、1.5℃目標に整合する2035年目標を政府に求める。216団体が賛同

    7月8日、気候変動イニシアティブ(JCI)は、「1.5度目標と整合する野心的な2035年目標を日本…
ページ上部へ戻る