カーボンクレジットの取引は、企業の脱炭素の実現に向けた施策のひとつとして各国で制度化が進み、日本においても運用が開始されている。民間主体のクレジット発行も広まりを見せる一方で、実態のないクレジット発行が行われている場合が出てきた。
そこで、ICVCM(Integrity Council for Voluntary Carbon Markets)という団体により、民間機関によって認証・発行されているクレジット(ボランタリークレジット)にも、一定の質を保証しようとする動きが活発化している。本記事では、ICVCMやカーボンクレジットの経緯を見ながら、最新のICVCMが提示しているコア・カーボン原則(CCP:Core Carbon Principles)を紹介する。
ICVCMとカーボンクレジット市場
「ICVCM」は「自主的炭素市場の拡大に関するタスクフォース(TSVCM:Taskforce on Scaling Voluntary Carbon Markets)」が2021年秋に創設した民間団体である。なお、TSVCMは、2020年秋、効果的かつ効率的な自主的炭素市場の拡大を目的として設立された。
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