United Airlines、CO2を原料とするSAFを3億ガロン購入

6月15日、United Airlines(ユナイテッド航空)と、その持続可能な航空分野に特化したベンチャーキャピタルファンドのユナイテッド航空ベンチャーズ(UAV)は、CO2利用企業のディメンショナル・エナジーと新たに投資・商業契約を締結したことを発表した。新たな契約のもと、ユナイテッド航空は、再利用されたCO2から製造された持続可能な航空燃料(SAF)を20年間で少なくとも3億ガロン購入する予定だ。

Fischer-Tropschプロセスは、石炭やメタンから燃料を製造するために使用される約100年の歴史を持つ技術だ。同社は、このプロセスを用いてSAFを製造した最初の企業であり、他のSAF技術に見られるフィードストックに関連する課題を回避している。

2016年に設立されたDimensionalは、CO2の排出を利用して燃料を作ることを基本としており、さまざまな再生可能エネルギーで稼働することができる。アリゾナ州ツーソンの工場では、アリゾナ州の送電網からの電力を使用しており、今後は、水力発電、風力発電、直射日光の熱を利用する集光型太陽電池を使用する予定だ。さらに、セメント計画、空気の直接回収、発酵やバイオマスのガス化などの生物学的プロセスなど、さまざまなソースからCO2を利用することができる。

ユナイテッド航空は、カーボンオフセットに頼らずに、2050年までに温室効果ガスの排出を完全に削減することを約束している。この契約は、同社にとってSAFに焦点を当てた一連の取り組みの最新版となる。このプログラムでは、法人顧客がSAFの追加費用を支払うことで、オフセットの購入以上に出張による環境影響を削減する機会を提供することを目的として、昨年エコ・スカイ・アライアンスを立ち上げている。12月には、ユナイテッド航空が100%持続可能な航空燃料を使用したエンジンを搭載した初の旅客便の運航を完了した。

【参照ページ】
(原文)Transforming Yesterday’s Emissions into Tomorrow’s Sustainable Aviation Fuel: United Announces Agreement with CO2 Utilization Company Dimensional Energy
(日本語訳)United Airlines、CO2を原料とする持続可能な航空機用燃料を3億ガロン購入

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