KKR、ドイツのエネルギーサービス企業EGCと戦略的提携を発表

2月18日、グローバル投資会社KKRは、ドイツ・デュッセルドルフを拠点とするエネルギーサービス企業EGCと戦略的提携を締結したと発表した。エンジニアリングサービス企業ITGもグループの一員となる。創業家と既存株主は引き続き出資を維持し、経営に参画する。GETECグループの元ドイツCEOであるマイケル・ロワク氏が会長に就任し、経営陣を支援する。

KKRとの提携により、EGCは不動産業界向けの脱炭素化パートナーとして成長を加速させる方針だ。その一環として、有機的成長(既存事業の拡大)および非有機的成長(買収など)への投資を強化する。

EGCはドイツで2世代にわたり独立系のエネルギーサービスを提供しており、エネルギー・建築技術の企画から融資、運営までを一貫して担う。約2百万㎡の不動産を管理し、800基の集中暖房システムを運用している。ITGとともに、エネルギーと建築技術の専門知識を活かし、強固な市場基盤を確立している。

建築物は世界のCO2排出量の約3分の1を占め、その多くが暖房によるものだ。EUの気候目標達成には、建築物の脱炭素化が不可欠とされている。EGCは家主に対し、脱炭素化のソリューションを提供する。

取引完了後、KKRはEGCに広範な従業員所有モデルを導入する。これは2011年にKKRが開発し、60社以上で15万人の従業員に適用されたプログラムで、従業員の事業参画を促進する。

EGCの経営陣であるコリーナ・ピッツ氏とディルク・ピッツ氏は、「KKRとの協力により、市場でのポジション強化と企業成長が期待できる」と述べた。ロワク氏も「EGCは家主に効率的な脱炭素化ソリューションを提供し、ドイツのエネルギー転換に貢献する」と強調した。

KKRの欧州インフラ担当マネージングディレクター、ライアン・ミラー氏は「ドイツのエネルギー転換には創造的なソリューションと長期的資本が必要だ。EGCと共に、不動産業界の主要な脱炭素化パートナーを目指す」と述べた。

【参照ページ】
(原文)KKR Enters Into Strategic Partnership With Energy Service Provider EGC

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