2月1日、気候ソリューションに特化した投資事業であるJust Climateは、鉄鋼セクターの脱炭素化、電動モビリティの加速、メーカーへの再生可能エネルギーの提供を支援するソリューションを持つ企業を支援する、初回投資3件を発表した。
アル・ゴア元米国副大統領が会長を務めるサステナビリティに特化した投資会社Generation Investment Managementが2021年10月に設立したJust Climateは、緩和が困難な分野や地域のプロジェクトや企業への投資に焦点を当て、インパクトを与えると同時に適切なリスク調整後リターンを実現することを目指している。同ファンドは、エネルギー・輸送・産業・建築などの分野における触媒的な気候変動対策と、食料・農業・海洋などの自然変動対策を対象とする。
Just Climateの最初の投資先企業は、ABB E-mobility、H2 Green Steel、Meva Energyの3社である。
スイスに本社を置くABB E-mobilityは、スマートホーム充電器や高出力充電器などのEV充電ソリューションに加え、様々なデジタルサービスや高度なエネルギー・車両管理ソリューションも提供している。Just Climateの出資は、同社が親会社のABBから独立した企業として上場を準備するために計画されたIPOに先立つ、3億2,500万スイスフラン(約460億円)の融資の一部を構成している。
2020年に設立された H2 Green Steel は、世界初の大規模な脱化石燃料製鉄所を建設しており、同プロジェクトには鉄鋼生産施設と一体化したギガスケールのグリーン水素プラントが含まれている。同プラントは、酸化鉄から酸素を取り除くために、グリーン電力で製造された水素を採用し、通常発生するCO2の95%を回避する。H2GSは、製造工程で必要となるエネルギーに100%再生可能な資源から得られる電力を使用し、2030年までに化石燃料を使用しない鉄鋼を500万トン生産する予定である。Just Climateによる投資は、10月に発表された同社の2億6,000万ドル(約335億円)のシリーズB増資の一部を構成している。
Meva Energyは、おがくずなどの生物起源残渣を再生可能なガスに変換する革新的なガス化技術を製造業向けに提供している。同社によると、今回の投資により、研究開発中心から産業規模の事業会社への移行が加速する。
【参照ページ】
(原文)JUST CLIMATE ANNOUNCES ITS FIRST THREE INVESTMENTS
(日本語参考訳)アル・ゴアの気候変動基金、産業用脱炭素ソリューション企業へ初出資