1月31日、欧州の商業銀行UniCreditは、石油・ガス、発電、自動車など、炭素集約型の一連のセクターにおける融資排出量の削減について、2030年の新たな目標を発表した。
UniCreditは、新たな排出量目標とともに、「石油・ガス政策」において、石油埋蔵量の新規探査や拡張、北極圏での石油・ガス活動の支援を一切行わないことを明言した。さらに「石炭政策」では、2028年までに石炭への融資を段階的に廃止するとしている。
UniCreditは、新しい目標が2050年までにネット・ゼロを達成するという目標に沿うものであると述べている。同行は2021年10月、融資活動を通じて世界のネット・ゼロ目標を推進することを目的とした、国連が招集した銀行の連合体「ネット・ゼロ・バンキング・アライアンス(NZBA)」に調印した。同アライアンスの署名機関は、中間目標を開示し、銀行の投資ポートフォリオにおける進捗状況を報告することで、融資および投資ポートフォリオから運用および帰属するGHG排出量を移行することを約束する。
2030年の新たな目標には、石油・ガスセクターのScope3排出量を29%削減、発電セクターのScope1排出量を47%削減、自動車セクターのScope3 “tank to wheel” 排出量を41%削減(それぞれ2021年ベース)が含まれている。
同行は、目標達成に向けた一連の取り組みとして、以下を挙げている。
- 高排出部門の企業に対するアドバイザリーサービスの強化
- 革新的な気候ソリューションの開発とスケールアップにおける顧客の支援
- 特定部門のサステナビリティに特化した企業との提携を通じた支援
UniCreditは、グリーンローンやサステナビリティ・リンク・ローンなど、持続可能な融資を大幅に強化し、顧客の事業の脱炭素化や炭素集約型部門からの脱却も支援する。
【参照ページ】
UniCredit sets Net Zero targets for carbon intensive sectors