9月8日、インデックスプロバイダーであるS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス(S&P DJI)とS&PグローバルのESGおよびサステナビリティに特化したグループSustainable1は、2050年までにネット・ゼロエミッションを達成するために定義された炭素排出削減「バジェット」をターゲットとして選定し、S&P主要インデックスの証券のパフォーマンスを計測する新しい市場ベンチマークシリーズ、「S&Pネットゼロ2050カーボンバジェット・インデックス」の開始を発表した。
本インデックス・シリーズのデザインは、昨年発表された国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の最新報告書に基づいており、世界の気候システムの現状と気候変動による影響を評価している。本報告書では、海面上昇など気候変動による主な影響の一部は数千年にわたり不可逆的である可能性があるものの、迅速かつ有意義な行動によって温暖化を1.5℃に抑えることができ、これは最も悲惨な影響の一部を避けるために必要と考えられているレベルであると警鐘を鳴らしている。
S&P ネット・ゼロ2050 カーボンバジェットのインデックスは、IPCCが推計した温暖化を1.5℃に抑えるために必要な世界全体の排出量に適合する、定められた目標炭素収支を達成するために、親インデックスから株式銘柄を選択し、加重平均している。
各インデックスのカーボンバジェットは、2050年までの開始年に基づいている。例えば、2022年に開始されたインデックスは、最初に25%の排出量削減を目標とし、その後は毎年10%程度の削減を目指す。将来的には、より厳しいタイムスケールの炭素予算で2050年の目標を達成する必要性に基づいて、必要な年間削減量は増加する。
【参照ページ】
(原文)S&P Dow Jones Indices and S&P Global Sustainable1 Launch S&P Net Zero 2050 Carbon Budget Index Series
(日本語訳)S&P DJI、2050年までにネット・ゼロを目指すインデックスシリーズを発売