5月19日、グローバルな資産運用会社であるアクサ・インベストメント・マネージャーズ(AXA IM)は、2021年末時点で、約9000億ユーロ(約121兆円)の運用資産の約3分の2を2050年のネット・ゼロ目標に整合させたと発表した。
本発表は、ネット・ゼロ・アセット・マネージャーズ・イニシアティブに対するAXA IMの報告書の一部として行われた。AXA IMは、2020年12月に発足した同イニシアティブの創設メンバー30社のうちの1社で、温暖化を1.5℃に抑えるという世界の取り組みに合わせ、2050年またはそれ以前に温室効果ガスの排出をネットゼロにする目標を支持することを約束している。発足以来、本イニシアティブは急速に拡大し、約60兆ドル(約7兆円)の運用資産に相当する230以上の署名者が参加している。本イニシアティブはネット・ゼロのためのグラスゴー金融連合(GFANZ)の一部である。
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本報告書の中で、AXAは、AXAグループに代わって運用する社債、国債、上場不動産、不動産資産への投資を含むAUM全体の65%にあたる5800億ユーロ(約78兆円)がネット・ゼロに沿った形で運用されていると明らかにした。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の1.5℃シナリオに沿って、これらすべての資産に対してネットゼロのパスウェイが定義されている。
ネット・ゼロ・アセット・マネージャー・イニシアティブの署名機関は、2050年のネット・ゼロに沿った運用を行う資産の割合について中間目標を設定することや、スチュワードシップ、エンゲージメント、投票政策、提言政策をネット・ゼロ目標に合わせることなど、幅広いコミットメントにも同意している。
AXA IMは、2040年までに企業資産の全ポートフォリオをネットゼロにする、または整合させることを約束したと述べ、今月初めには、気候変動の後発組に対する新しい「スリーストライク&ユアアウト」方針を発表した。同社の方針では、ポートフォリオと気候変動の観点から重要だと考えられる企業を対象に、3年間にわたり、重点リストの企業と積極的に関わり、その後に特定の目標を達成しない場合は売却を行うことになっている。
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【参照ページ】
(原文)65% of AXA IM’s total assets are managed to be in line with Net Zero
(日本語訳)AXA IMの総資産の65%は、ネット・ゼロに沿った運用を行っている