5月17日、エネルギー大手bpと産業ガス会社Lindeは、テキサス州において、年間1,500万トンものCO2を回収・貯留し、低炭素水素の製造を可能にする大規模なCCSプロジェクトの計画を発表した。
本プロジェクトは、早ければ2026年の稼働を予定しており、Lindeがヒューストン広域圏に保有する水素製造設備から排出されるCO2を回収・貯蔵し、その他の産業施設からの炭素を貯蔵することで、テキサス湾岸産業大動脈の大規模な脱炭素化の支援を目的としている。
両社によると、本プロジェクトで貯蔵される可能性のあるCO2量は、年間300万台の自動車が走行不能になる量に相当するという。
水素は、クリーンなエネルギーへの移行において重要な構成要素のひとつと考えられており、特に、風力や太陽光などの再生可能エネルギーが現実的でない、排出量の削減が困難なセクターで利用されている。しかし、宇宙で最も豊富な元素であるにもかかわらず、地球上に純粋な水素の鉱床はなく、他の物質から水素を取り出すしかない。この抽出プロセスでは、しばしば汚染物質や温室効果ガスが発生する。再生可能エネルギーを利用した電気分解プロセスで水から水素を取り出すグリーン水素や、天然ガスを水素とCO2に変換し、回収して永久保存するブルー水素など、クリーンな抽出プロセスを開発するためには多額の投資が必要になる。
本プロジェクトでは、bp社がCO2を永久に隔離するための地中貯留サイトの鑑定、開発、許可を行い、Linde社は独自の技術で水素製造設備からCO2を回収、圧縮する予定である。
【参照ページ】
(原文)bp and Linde plan major CCS project to advance decarbonization efforts across Texas Gulf Coast
(日本語訳)bpとLinde、テキサス湾岸で1,500万トンのCCSプロジェクトを計画