DHL、LCL海上輸送の全貨物を脱炭素化

DHL、LCL海上輸送の全貨物を脱炭素化

5月2日、ロジスティクス大手のドイツポストDHLグループの航空・海上貨物事業であるDHL Global Forwardingは、2021年1月以降、すべての小口混載貨物(LCL)海上輸送における二酸化炭素排出量の中和を発表した。

同社が提供する「GoGreen Plus」は、荷主が国際的に認められた気候保護プロジェクトに投資し、輸送中に発生する排出量を相殺することで、カーボンニュートラルな輸送を可能にするサービスだ。本サービスは、炭素の「インセット」による排出量削減を提供し、荷主が従来の化石燃料の持続可能な燃料へ置き換えを可能にすることを目的としている。今年初め、DHL Global Forwardingは、本サービスを航空貨物にも拡大する。

「GoGreen Plus」は、昨年発表した2030年に向けたグループのサステナビリティロードマップの一部であり、燃料需要の少なくとも30%を持続可能な燃料で賄うというサブターゲットに貢献する。また、ロードマップの一環として、CO2排出量削減のために今後10年間で70億ユーロ(約9,600億円)のOPEXおよびCAPEXへの投資を計画している。

DHL Global Forwardingの海上貨物部門グローバル責任者であるドミニク・フォン・オレリは、同社がGOGreenを通じてすべてのLCL貨物の脱炭素化を追加費用なしでお客様に継続することを決定したと述べている。

DHLは、サステナブルマリンフューエル(SMF)の使用により、小口混載貨物輸送のポート・トゥ・ポートにおける車両運行による直接排出量(Tank to Wheel)を36,300トン以上削減したと発表している。また、集配に関わる燃料供給による排出(”Well-to-Wheel”)を含む直接・間接排出のうち、52,800トンをこの1年間でオフセットにより相殺した。

【参照ページ】
(原文)DHL GLOBAL FORWARDING DECARBONIZES 100% OF ITS GLOBAL LCL OCEAN FREIGHT SHIPMENTS
(日本語訳)DHLグローバルフォワーディング、グローバルLCL海上輸送の100%を脱炭素化

関連記事

おすすめ記事

  1. 【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    2025-9-11

    【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    気候変動や自然資本など、環境領域に関する開示が進みつつある中、次なるテーマは「社会」の領域。TIS…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…

ピックアップ記事

  1. 2025-11-14

    【最新】欧州議会、CSRD・CSDDD簡素案を採択

    11月13日の欧州議会の本会議にて、CSRDおよびCSDDD(企業サステナビリティ報告およびデュー…
  2. 2025-11-13

    GX-ETS:割当調整・移行計画・価格制御の方向性が明らかに

    11月7日、経済産業省は、第5回産業構造審議会イノベーション・環境分科会 排出量取引制度小委員会を…
  3. 2025年・COP30開幕!サステナビリティ経営・実務における注目テーマ整理/実務への影響解説

    2025-11-11

    2025年・COP30開幕!サステナビリティ経営・実務における注目テーマ整理/実務への影響解説

    11月10日から21日まで、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の第30回締約国会議(COP30)…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る