インド財務省、気候ファイナンス・タクソノミーの素案を公表 専門家・市民から意見募集へ

インド財務省経済局は、持続可能な社会と「2070年カーボンニュートラル」達成に向けた資金の流れを強化するため、「インド版気候ファイナンス・タクソノミー(分類基準)」の素案を7日に発表した。政府は6月25日まで、専門家や一般市民からの意見募集を実施する。

この枠組みは、2024-25年度予算案(予算教書104段落)で発表された施策に基づくもの。ニルマラ・シタラマン財務・企業担当大臣は「気候変動対策への資本流入を拡大する新たなタクソノミー(分類体系)を策定する。これはインドの気候目標やグリーンな移行を後押しする」と強調。今回の素案は、そのアプローチと原則、対象活動の分類方法を詳細に定めている。

今後はこの素案を基に各分野(セクター)ごとの附属書も策定。どの技術や事業が「気候対応型」とされ、移行促進につながるかを明確化していく。導入されれば、クリーンエネルギーや省エネルギー分野などへの投資判断の新たな指標となり、長期的な安価かつ安定したエネルギー確保にもつながる見通しだ。

同省は「このタクソノミーにより、インドは信頼性に優れた気候関連プロジェクトへの資金流入を促進できる。これは『2070年ネットゼロ』『2047年Viksit Bharat(先進インド)』実現に資する重要なツールになる」としている。意見は6月25日まで、指定のフォーマットでメール(aditi.pathak[at]gov[dot]in)にて受け付け、熟考のうえ最終版を公表する方針。

(原文)Department of Economic Affairs, Ministry of Finance, invites suggestions from experts/public on Draft Framework of ‘India’s Climate Finance Taxonomy’ by 25th June 2025
(日本語参考訳)財務省経済局は、2025年6月25日までに「インドの気候ファイナンス分類法」のフレームワーク案について、専門家/一般からの提案を募集する。

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?

    2025-8-20

    TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?(再掲)

    ※2025年5月28日公開済みの記事を一部更新し再掲している。 企業のサステナビリティ関連の…
  2. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…
  3. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…

ピックアップ記事

  1. サステナビリティ開示におけるタクソノミ導入と実務対応のポイント

    2025-8-22

    サステナビリティ開示におけるタクソノミ導入と実務対応のポイント

    2025年8月8日、金融庁は、「2027年版EDINETタクソノミの開発案」を公表した。これは、I…
  2. 2025-8-19

    PR【対談&ワークショップ】第一生命が語る「ESG開示」と「企業価値向上」

    毎回満員御礼でご好評をいただいているESG Journal 会員向けのESG Journal …
  3. 2025-8-18

    金融庁、EDINET新タクソノミ案公表 27年版ではサステナ情報開示も検討

    8月8日、金融庁は企業の有価証券報告書などで利用される電子開示システム「EDINET」の基盤となる…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る