イギリス、気候移行計画の開示基準を策定するタスクフォースを立ち上げ

4月25日、イギリスの経済・財務省は、企業が気候変動に関する移行計画を開示するための枠組みと基準の確立を目的とした新たなイニシアチブ、英国移行計画タスクフォース(TPT)を発足した。

今回のタスクフォースの発足は、昨年、英国のリシ・スナック財務大臣が、企業や資産運用会社に対する新たなサステナビリティ開示要求(SDR)の実施に向けた国の戦略をまとめたロードマップ「Greening Finance」の発表を受けたものだ。SDRは、英国のグリーンファイナンス戦略の主要な部分を形成しており、英国を国際的なグリーンファイナンスの中心地として確立し、金融部門と資本フローを世界および国内の気候・環境目標の実現に一致させることを目的としている。

また、ロードマップでは、一部の企業に対してネットゼロ移行計画を開示するよう、Compliance or Explain方式での要求を導入した。11月のCOP26では、Sunakが英国の金融機関と上場企業に対してネット・ゼロ移行計画の開示の義務付けを発表し、HM Treasuryはグリーンウォッシュを防ぐために、業界や学界のリーダー、規制当局、市民社会団体からなる移行計画タスクフォースを設立し、移行計画の「ゴールドスタンダード」を策定する計画を明らかにした。

2年間の任期で設立されたTPTは、2022年末までに、「科学的根拠に基づく、標準化された有意義な移行計画」を可能にする移行計画開示フレームワーク、金融や主要経済セクター向けの規制テンプレートとガイダンス、報告に関する保証と第三者検証の役割、正確で説明可能な計画の作成とグリーンウォッシュの回避に関する最初の提言を行うことを目標としている。

【参照ページ】 
(参考記事)U.K. debuts task force on climate transition plans
(日本語訳)英国が気候移行計画に関するタスクフォースをデビュー

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