3月8日、グローバルキャノピーと国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)は、企業や金融機関が自然関連リスクの評価・管理・報告において直面する課題を記載した報告書を発表した。本報告書は、TNFDのフレームワークの実用化に向けて考慮すべき要素を明らかにしている。
グローバルキャノピーとUNEP FIは、2022年3月に発表されるTNFDの自然関連リスク管理と開示のためのグローバルフレームワークのベータ版の開発を支援するための初期パイロット調査を実施した。
今回の報告書のベースとなったパイロット調査は、大豆のサプライチェーンで事業を行う企業、あるいはそれらの企業に融資を行う金融機関を対象に実施され、結果として、①ハイレベルなフレームワークだけではなく詳細なガイダンスを提供する必要があること、②フレームワークに合わせるために段階的なアプローチを実施すべきであること、③情報開示の中にリスクへの具体的な行動を組み込ませること、④自然関連リスクに対するより詳細な研究が必要であること、の4点が明らかになった。
本プロジェクトが大豆のサプライチェーンに注目したのは、サブセクターが自然関連の金融リスクと関連しており、関連データの入手性が比較的良好であったからとしている。今後、TNFDフレームワークのベータ版自体のパイロットテストでは、他のセクターやサブセクターについても検討する予定だ。グローバルキャノピーは、来月のフレームワークのリリースと同時に、パーム油のサブセクターで最初のベータ版のパイロットテストを行う準備を進めているとした。
【参照ページ】
Testing a nature-related risk framework in the consumer staples sector