9月6日、気候変動研究機関であるCDPと経営コンサルティング会社のOliver Wymanは新しい調査結果を発表した。本調査によると、G7諸国の企業の排出量削減目標は、世界の平均気温上昇を産業革命前より2.7℃に抑えるのに不十分な対策にとどまっており、パリ協定が地球温暖化の最も大きな影響を避けるために必要とする1.5℃の目標をもはるかに下回っていることが明らかになった。
本報告書の分析は、CDPの温度評価(公表された目標に基づく企業の排出量の予想変化率を、科学的根拠に基づく地球温暖化経路と比較することで算出)を用いて行われた。
本報告書によると、科学的根拠に基づく気候目標を設定し、企業の排出による気温上昇を抑制する企業が世界中で増えている一方で、「目標設定を受け入れている企業は十分ではなく、受け入れている企業も排出量削減の計画ではほぼ十分な野心を持っていない」という。さらに、目標を設定している企業の多くは、スコープ1と2の排出量しかカバーしておらず、企業の排出量の最も大きな部分を占めることが多いバリューチェーンの「スコープ3」排出量を包含していない。
また、G7のすべての国の企業による排出量削減目標は、1.5℃の閾値を超えることが明らかになった。ドイツとイタリアはそれぞれ2.2℃と最も低く、米国、日本、カナダはそれぞれ2.8℃、2.8℃、3.0℃と最悪の上昇を示唆した。ドイツの企業排出量の76%が科学的根拠に基づく目標でカバーされているのに対し、米国では24%、カナダではわずか4%となっている。
さらに、本報告書では、地域間の暗黙の温度軌跡の違いをもたらす部門別の効果も強調されている。最も顕著な差のひとつは発電セクターで、ヨーロッパでは1.9℃の経路であるのに対し、北米では2.1℃、アジアでは3.0℃の経路となっている。同様に、インフラストラクチャー分野も、欧州では2.2℃の進路であるのに対して、北米では2.3℃、アジアでは3.0℃の進路となっている。
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(原文)Missing the Mark