8月27日と28日、日本政府主導のもと、国連、国連開発計画(UNDP)、世界銀行、アフリカ連合委員会(AUC)とともに、チュジニアの首都チュニスで第8回アフリカ開発会議(TICAD8)を開催した。
アフリカでの開催は、2016年にケニアで開催されて以来、2回目となる。日本としては、2019年8月に横浜で開催されたTICAD7の成果を踏まえ、TICAD8に向け、アフリカ自身が主導する発展を引き続き力強く後押ししていく考えである。本会議では経済・社会・平和と安定の3つの全体会合、ビジネスフォーラム、第4回野口英世アフリカ賞授賞式を実施した。
全体会合1(経済)では、岸田総理から、新型コロナやウクライナ情勢を受け、深刻な影響を受けるアフリカの経済・社会に対し、民間投資の促進、公正で透明な開発金融の確保、グリーン経済の促進、食料安全保障の強化を通じ、強靱なアフリカ経済の実現に向け、貢献していく旨が発表された。不公正・不透明な開発金融により、アフリカの開発が妨げられてはならないとの認識を一にした。
全体会合2(社会)では、岸田総理から、アフリカの成長を堅実なものとする上でも、質の高い生活環境を整えることが必須であり、保健、教育、環境に重点的に取り組んでいく旨が発表された。新型コロナ等の感染症対策や気候変動など、人類共通の課題に対して、国際社会が連帯して立ち向かう必要性を改めてアフリカ諸国と共有する。
全体会合3(平和と安定)では、岸田総理から、司法・行政分野の制度構築・ガバナンス強化を通じた法の支配の推進や、憲法秩序への回復・民主主義の定着に向けたアフリカ自身の取組を力強く後押しする考えを発表した。行政サービス改善に向けた取組を含むコミュニティ基盤強化への貢献も表明した。
また、閉会式では「TICAD8チュニス宣言」が採択された。
ビジネス・フォーラムでは、日本企業約100名(スタートアップ約10名を含む)、アフリカ企業約100名(チュニジアからの約30名含む)、アフリカ経済閣僚、開発金融機関、日本の公的機関等の計約300名が参加し、日本とアフリカとのビジネス関係強化を議論。日本企業がアフリカ諸国等との間で締結した92件のMOU署名を歓迎した。
第4回野口英世アフリカ賞授賞式では、医学研究分野では、新型コロナやHIV/AIDSなどの感染症対策・治療への貢献によりカリム博士夫妻(南アフリカ)が、医療活動分野では、寄生虫感染撲滅に向けた貢献により「ギニア虫撲滅プログラム」(米国)が受賞した。同授賞式のアフリカ開催は今回が初である。
【参照ページ】
第8回アフリカ開発会議(TICAD8)(チュニジア開催)