CDP、2021年版グローバルサプライチェーンレポートを発表

2月10日、気候変動情報の開示を推進する国際NGOのCDPは、サプライチェーンプログラムの2021年版レポート「グローバルサプライチェーンレポート」を発表した。本レポートは、従来のCDPの3つのプログラムである気候変動、水、森林のサプライチェーン視点からの改善を目的としている。

2021年度のCDPサプライチェーンプログラムの参加企業数は207社となり、2020年度の154社から大幅に増加した。購入総額は約5.5兆米ドル(約630兆円)、サプライヤー総数は23,000社を超えた。このうち11,457社以上が今回、CDPの調査に回答している。

プレミアムメンバーやプログラム自体のリーダーには、日本たばこ産業(JT)の子会社であるJTインターナショナルを除き、日本企業は存在しない。

参加企業は、サプライヤーに対して気候変動や水などの環境リスクの開示を求め、気候変動対策に強いサプライチェーンの構築を目指している。参加企業および参加企業から推薦されたサプライヤーは、毎年、気候変動、水、森林に関するアンケートに回答し、CDPに情報を開示することが義務づけられている。

今年の気候変動に関するアンケートには、49%のサプライヤーから回答があった。同様に、水に関するアンケートには62%、森林に関するアンケートでは67%のサプライヤーから回答があった。またスコープ1の算出企業は71%、スコープ2は55%にとどまり、サプライヤーレベルでの情報開示の遅れは引き続き課題となっている。
 

【参照ページ】
(原文)10-year lag on climate action forecast with half of supply chain companies still failing to set targets
(日本語訳)CDP、2021年版グローバルサプライチェーンレポートを発表
 

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-9-16

    セブン&アイHD、TCFD・TNFD統合開示を公表 財務インパクトの試算と自然資本分析も深化

    9月8日、セブン&アイ・ホールディングスは、「気候・自然関連情報報告書―TCFD・TNFD統合開示…
  2. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る