SAP、2030年までのバリューチェーン全体のネット・ゼロ達成にコミット

SAP、2030年までのバリューチェーン全体のネット・ゼロ達成にコミット

1月11日、SAPは当初の目標よりも20年早い2030年にバリューチェーン全体でネット・ゼロ・エミッションを達成するという新たなコミットメントを発表した。同社は、第一の手段として、SAPが販売する製品の使用による排出量を削減し、次に購入した商品やサービスによる排出量を削減することを目指している。

SAPによると、2020年のバリューチェーン全体の炭素排出量は、合計で2,300ktとなり、SAPの自社事業の純排出量が135ktであるのに対し、バリューチェーンの脱炭素化は世界の企業における持続可能性への取り組みにおいて主要な焦点となりつつある。

同社はオンプレミス顧客のクラウドへの移行を加速すること、主要サプライヤーとの連携を強化し、ネット・ゼロへのコミットとカーボンニュートラルで製品やサービスを提供すること、持続可能なプログラミングを行ったクラス最高のデータセンターを使用すること、すべてのSAPクラウド製品を対象にクラウド・カーボンフットプリント計算機を提供することなどを重点分野としている。

直近SAPは企業がバリューチェーン全体で製品のカーボンフットプリントを評価できるように設計されたProduct Footprint Managementソリューションを発表し、2021年4月には企業がサプライチェーンの脱炭素化とバリューチェーン全体での循環経済原則の定着を可能にする、サステナビリティ重視のソリューションを共同開発するためのアクセンチュアとの提携を発表している。

今後、SAPはSBTi(Science Based Targets initiative)による検証を受けることを目指しており、ネット・ゼロ変革に向けたプログラムの立ち上げに着手している。

【参照ページ】
(原文)Accelerating Our Commitment to Net-Zero
(日本語訳)SAP、バリューチェーン全体で2030年までにネットゼロを達成することを約束

関連記事

“導入事例へのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  2. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…
  3. 2024-3-26

    【さくっと読める】ESGスコアとは。基本的知識を解説。

    今月から、サスティナビリティ情報開示で関心の高いテーマについて、さくっと読める解説コラムを発行して…

ピックアップ記事

  1. 2024-4-18

    オーストラリア裁判所、グリーンウォッシュ訴訟でバンガードに有罪判決

    3月28日、オーストラリアの連邦裁判所は、バンガード・インベストメンツ・オーストラリアが、同社のE…
  2. 上場企業の40%以上がスコープ3排出量の報告を開始

    2024-4-15

    上場企業の40%以上がスコープ3排出量の報告を開始

    4月に発表した、投資データ・リサーチプロバイダーであるMSCIの新しいレポートによると、世界の上場…
  3. SBTi、ネット・ゼロ目標における炭素クレジットの役割拡大を認める

    2024-4-15

    SBTi、ネット・ゼロ目標における炭素クレジットの役割拡大を認める

    4月9日、科学的根拠に基づく目標設定イニシアティブ(SBTi)は、企業の環境持続可能な行動を気候変…

アーカイブ

ページ上部へ戻る