世界銀行、最新レポートを発表 インドネシア経済の見通しを分析。再エネ拡大も

世界銀行、最新レポートを発表 インドネシア経済の見通しを分析。再エネ拡大も

12月16日、世界銀行はインドネシア経済の見通しを分析したレポート 「A Green Horizon, Toward a High Growth and Low Carbon Economy」 を発表した。本レポートによると、2021年におけるインドネシアの経済成長率は3.7%と推定され、2022年には5.2%まで加速すると予想されている。 インドネシア経済は2021年、COVID-19デルタ変種波により緩やかになったものの、回復を続けている。

この予測は、インドネシアが再びCOVID-19の深刻な急増を回避し、2022年にほとんどの州で70%のワクチン接種率を達成し、緩和的な金融・財政政策を維持することを前提としている。また、世界貿易の伸びと一次産品価格が緩やかになることも想定している。

本レポートでは、パンデミック、世界金融情勢、危機の傷跡に関する不確実性の中で、見通しに対するリスクは依然として高いと述べられている。また、経済の勢いを維持し、パンデミックの影響が経済的・社会的に長期の傷跡を残すのを防ぐためには、世界銀行が投資を強化し、人的資本の蓄積を加速し、生産性を高める政策対応に焦点を当てる必要があると勧告されている。そのための課題として、遅れている地域でのワクチン接種を加速し、検査、追跡、治療を加速することによってパンデミックを抑制すること、金融・財政政策の緩和姿勢を維持しつつ、世界と国内の金融圧力が進展するのに応じて政策を調整する準備をすることなどが挙げられている。

加えて、パンデミックへの対応と中期的な財政の持続可能性のために財政スペースを拡大することも重要であると、報告書は勧告している。最近採択された租税調和法は、低い徴税率に対処するための重要なステップである。インドネシアの構造改革は、より競争力があり、弾力的で、環境に優しい経済を構築するために重要である。

本レポートの分析セクションでは、インドネシアの気候変動に関する公約を行動に移しながら、同国の広範な開発目標を推進するための政策の優先順位について論じている。電力部門は、2030年までに温室効果ガス排出量を通常通りの方法で少なくとも26%、国際的な支援を強化した場合には最大41%削減し、2060年までにカーボンニュートラルに到達するというインドネシアの目標に貢献する上で、中心的な役割を担っている。インドネシアの低炭素化目標を達成するためには、石炭の段階的な削減と再生可能エネルギーの拡大が中心となってくる。

【参照ページ】
(原文)Indonesia’s Economy Grew in 2021 Despite COVID-19, Will Accelerate in 2022, World Bank Report Says
(日本語訳)世界銀行、最新レポートを発表 インドネシア経済の見通しを分析

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