ゴールドマン・サックス、炭素集約度の高いセクターにおける融資対象の排出量削減目標を設定

ゴールドマン・サックス、炭素集約度の高いセクターにおける融資対象の排出量削減目標を設定

世界的な投資銀行、証券会社、投資運用会社であるゴールドマン・サックスは、炭素集約度の高い3つの主要セクター(石油・ガス、電力、自動車製造)における金融機関の排出量削減を目標とした、一連の新しいポートフォリオ排出原単位目標を発表した。

この新しい目標は、今年初めにゴールドマン・サックスが発表した2050年のネット・ゼロへの道筋に沿った金融活動実施に関する誓約と、10月に発表したネット・ゼロ・バンキング・アライアンス(NZBA)への参加決定を受けたものだ。NZBAは、ポートフォリオの運用および帰属する排出量を2050年またはそれ以前にネット・ゼロへの道筋に沿って調整することを約束する業界団体。

この新しい中間目標は、ゴールドマン・サックスが2021年に発表した「気候関連財務情報開示に関するタスクフォース」(TCFD)の報告書とともに発表された。

報告書によると、ゴールドマン・サックスは、世界の排出量や自社の事業にとって重要であること、また、顧客との有意義な対話のためのデータが入手可能であることから、石油・ガス、電力、自動車製造の各部門を初期の中間目標に選んだ。これらのセクターの合計は、ゴールドマン・サックスの炭素集約型セクター活動のポートフォリオの38%、ポートフォリオ全体の約9%を占めている。

新たな目標には、石油・ガス部門では17%~22%、電力部門では48%~65%、自動車製造部門では49%~54%の排出量削減目標が含まれている。ゴールドマン・サックスは、各目標の下限値はネット・ゼロ・パスウェイと一致しており、提案された各目標範囲は、世界の平均気温の上昇を2℃よりはるかに低く抑えるというパリ協定の目標と一致しているとしている。ゴールドマン・サックスは、2024年第4四半期までに、NZBAのガイドラインに沿って、残りの炭素集約型セクターの大部分に対する目標を発表すると述べている。

【参照ページ】
(原文)Goldman Sachs Publishes Decarbonization Targets in 2021 TCFD Report
(日本語訳)ゴールドマン・サックス、炭素集約型の主要部門における融資対象の排出量削減目標を設定

関連記事

“CSAセミナー"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. ESGフロントライン:潮流を読む~SEC気候開示規則の弁護を放棄ー規制後退の中で問われる企業の姿勢と対応

    2025-3-31

    ESGフロントライン:潮流を読む~SEC気候開示規則の弁護を放棄ー規制後退の中で問われる企業の姿勢と対応

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  2. 2025-3-27

    【GPIF発表】「優れた統合報告書」と「改善度の高い統合報告書」選定結果

    3月11日、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、国内株式の運用を委託している運用機関に対…
  3. 2025-3-24

    CDP、ESRS報告基準との対照表を発表

    3月18日、欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)と国際的な非営利団体であるCDPは、欧州サステナ…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る