11月30日、経済産業省は、外務省と連名で実施した、「日本企業のサプライチェーンにおける人権に関する取組状況のアンケート調査」の結果を公表した。
この調査は、日本企業のビジネスと人権への取組状況に関する政府として初の調査となる。
今回の調査の背景として、2011年に国連人権理事会の関連決議において「ビジネスと人権指導原則(以下、「指導原則」)」が支持されて以降、企業の人権尊重を促す様々な政策が各国でも講じられていることが関係している。
日本は、指導原則に基づき、2020年10月に「ビジネスと人権」に関する行動計画(NAP)を策定し、企業によるビジネスと人権の取組を政府としても促進するとともに、企業に対し、人権DD導入を期待することを表明している。また、NAPにおいて、企業の取組状況をフォローアップする旨も表明しており、今後の政策対応を検討するに当たって、企業による人権DDをはじめとする人権関係の取組について、その実態や課題を把握すべく調査が実施された。
今回の調査では、2,786社に調査票が送付されたが、回答があったのは760社。そのうち人権方針を策定しているのは69%で523社、人権デューデリジェンスを実施しているのは、52%で392社のみだった。