公取委、労務費の適切な価格転嫁で指針提示

11月29日、内閣官房と公正取引委員会は、「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」を策定した。

発注者・受注者間の取引環境の整備の一環として、公正取引委員会はこれまで、内閣官房、消費者庁、厚生労働省、経済産業省、国土交通省とともに発表した「パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化施策パッケージ」に基づき、価格転嫁対策に全力で取り組んできた。

本指針では、エネルギーコストや原材料価格の高騰で価格転嫁ができない場合、労務費の圧縮で内部で吸収しようとする動きを抑止するため、労務費も含めた価格転嫁を促す。労務費の転嫁に係る価格交渉について、発注者及び受注者それぞれが取るべき行動や求められる行動を12の行動指針としてまとめている。

発注者に対しては、経営トップの関与、発注者の方から協議の場の設定、説明や根拠資料を求める場合には公表資料に基づくものを提示することを明記。また、受注者から労務費の上昇を理由とした価格転嫁を求められたら協議のテーブルにつくことや、労務費の転嫁を求められたことを理由に、取引を停止するなど不利益な取扱いをしないことも示した。

受注者に対しては、国・地方公共団体や、中小企業支援機関等に相談する等して積極的に情報を収集して交渉に臨むこと、根拠資料としては公表資料を用いること、本指針に記載の事例を参考に適切なタイミングで自ら発注者に価格転嫁を求めること等を示した。

【参照ページ】
労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針

関連記事

“イベントへのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  2. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…
  3. 2024-3-26

    【さくっと読める】ESGスコアとは。基本的知識を解説。

    今月から、サスティナビリティ情報開示で関心の高いテーマについて、さくっと読める解説コラムを発行して…

ピックアップ記事

  1. アップルのサプライチェーンの95%、2030年までに100%再生可能エネルギー使用を約束

    2024-4-25

    アップルのサプライチェーンの95%、2030年までに100%再生可能エネルギー使用を約束

    4月17日、アップルは、バリューチェーンの脱炭素化という目標に向けて大きく前進していることを発表し…
  2. 2024-4-24

    ダウとP&G、プラスチック・リサイクル技術の共同開発契約を締結

    3月25日、 米国の化学世界大手であるダウと消費財業界大手のP&Gは、プラスチック・リサ…
  3. 2024-4-24

    住商グループとパートナー企業、太陽光発電パネルの再利用・リサイクル実証実験に着手

    3月28日、住友商事、三井住友ファイナンス&リース(SMFL)、SMFLみらいパートナーズ…

アーカイブ

ページ上部へ戻る