金融庁、「トランジション・ファイナンスにかかるフォローアップガイダンス」案を発表

金融庁、「トランジション・ファイナンスにかかるフォローアップガイダンス」案を発表

4月28日、金融庁は「トランジション・ファイナンスにかかるフォローアップガイダンス」案を発表した。

2015年の「パリ協定」採択以降、IPCCの1.5℃特別報告書やCOP26におけるグラスゴー気候合意を契機に、カーボンニュートラル(CN)目標を表明する国や地域が増加し、世界的に脱炭素の機運が高まっている。日本においても、2030年度の温室効果ガス46%削減、2050年カーボンニュートラルの実現という国際公約を掲げている。

世界でCNを実現するためには、すでにクリーンな技術として確立されている取組のみならず、イノベーションが必要となる。このため、トランジション・ファイナンスは、現時点では、技術的な側面等から脱炭素化が確立途上である等、排出削減困難(hard-to-abate)なセクター(現段階において、脱炭素化が困難な産業部門・エネルギー転換部門)の事業者が、長期的なトランジション戦略に沿った脱炭素化を実現させるためのファイナンス手法として重要な役割を担っている。

金融機関がトランジション・ファイナンス等を通じて実経済の脱炭素化に資する取組を促進するためには、資金調達者による信頼性が高いトランジション戦略の構築・開示とともに、資金供給者が資金調達者との対話を通じてその着実な実行を支援・促進することが鍵となる。

以上を踏まえ金融庁は、トランジション・ファイナンス環境整備検討会において、トランジション・ファイナンスの信頼性と実効性を向上することを目的として、特に、資金供給後のトランジション戦略の着実な実行と企業価値向上への貢献を担保するため、金融機関や投資家向けに、「トランジション・ファイナンスにかかるフォローアップガイダンス~資金調達者とのより良い対話に向けて~(案)」を策定した。

金融庁は5月26日までパブリックコメントを募集する。

【参照ページ】
トランジション・ファイナンスにかかるフォローアップガイダンス~資金調達者とのより良い対話に向けて~(案)について

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-7-2

    シェルパ、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)理事・小森氏をゲストにウェビナー「ISSBが示すサステナビリティ情報開示の考え方」を実施

    - ISSB基準に関する最新動向から企業価値向上に向けた戦略的情報開示についてまで、講演と対談を通…
  2. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  3. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…

ピックアップ記事

  1. 2025-7-3

    英・豪銀行連合、中小企業のスコープ3把握支援で新会社 50兆ドル市場開拓へ

    6月24日、英ナットウエスト・グループ、豪州ナショナル銀行(NAB)、英スタンダードチャータード傘…
  2. 2025-7-1

    カナダ年金基金、2030年までに4,000億ドルの気候投資

    6月19日、カナダの大手機関投資家であるケベック州貯蓄投資公庫(CDPQ)は、2050年ネットゼロ…
  3. 2025-7-1

    GRI、サステナビリティ報告のデジタル化を促進する新「サステナビリティ・タクソノミー」を発表

    6月19日、GRI(Global Reporting Initiative)は、新たに「GRI S…

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る