1月5日、三菱商事株式会社とENEOS株式会社は、今般、ガソリンスタンド(サービスステーション「SS」)を拠点とした配送効率化事業の推進を目的とし、合弁会社(JV)を設立することに合意したことを発表した。
両社は本事業において、ENEOSの全国12,000カ所超のSSネットワークを荷物の一時保管かつ最終配送拠点として活用することで、最終配送拠点から配送先までの区間であるラストワンマイルを短縮し、配送の効率化を目指す。
SSは全国の多様な地域を網羅しているため、荷物配送の最終配送拠点として活用することで、大型倉庫からの直接配送に比べて必要な走行距離が削減されることが分析結果から示されており、ドライバーの負荷および配送コストの低減につながる。また、車両のスムーズな出入りを前提として設計されているSSは物流拠点に適している。さらに、既存のSSを拠点として活用することで、拠点整備にかかる追加費用を低減させることが可能になる。
配送業界では、EC市場の拡大に伴い、消費者向けの宅配荷物量が増加し、ラストワンマイルにおける効率的なサービスの需要が高まっている。これらの需要に応えるためには、従来よりも最終配送拠点を増やして柔軟な配送体制を実現していくことが重要である。 これまでも両社は、荷主やラストワンマイルにおける配送を担う配送パートナーと共にSSを拠点とした配送オペレーションに関する実証を行なってきた。
今般、事業主体を明確化し事業化検証を加速させることを目的としてJVを設立することに合意し、今後はJVとして荷主であるEC事業者や配送事業者、SS、配送パートナーとともに実証を行い、事業立上げを目指す。2023年度から、高い宅配需要が見込まれる1都3県の100カ所のSSにおいて事業化の可否を検証する大規模実証を行う。2025年度までには500~1,000カ所のSSへ事業拡大を予定しており、2026年度から全国展開を含めた本格事業化を目指す。
また、実証による知見・データをもとに、荷主の配送管理システムと連携することで、SSを活用するラストワンマイル配送を円滑に推進するための配送ソリューションシステムアプリを開発・提供し、配送業界の更なる負担軽減や効率化を目指す。 三菱商事は、2022~2024年度中期経営戦略においてDX機能を横断的に展開し、多様な事業(リアル)のDXによる事業価値向上を推進し、リアルとデジタルの融合により、様々な社会課題の解決を通じ、産業全体の発展と地域色豊かな未来社会の実現に貢献することを目指している。
ENEOSは、2040年グループ長期ビジョンにおいて、事業構造の変革による価値創造を掲げている。日本全国に展開するSSを顧客のライフステージに合わせて、必要とされるサービスをトータルで提供できるプラットフォームへと成長させるべく、ライフサポートサービスの創出に取り組んでいる。 三菱商事とENEOSは、SSネットワークを活用した配送効率化事業の取り組みを通じて、ラストワンマイルにおける効率性向上への貢献および低炭素化の促進を目指していく。