日本郵船など5社、アンモニア燃料船の社会実装に向け実証事業を開始

10月26日、日本郵船株式会社、株式会社ジャパンエンジンコーポレーション、株式会社IHI原動機、日本シップヤード株式会社は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)助成事業の公募採択を受け、協力機関である一般財団法人日本海事協会を合わせた5社で、2021年12月より「アンモニア燃料国産エンジン搭載船舶の開発」を開始する予定であると発表した。期間は2028年3月31日までと予定されている。

アンモニアは燃焼時に二酸化炭素を排出しないため、航海中の温室効果ガス排出量を従来よりも大幅に削減することが可能。日本郵船は2030年よりも早期の社会実装を目指すとともに、将来的には船のゼロエミッション化実現を目標に取り組みを進める。

5社の最大の目標は、他国に先駆けて国際競争力のあるアンモニア燃料船の開発を実現し、日本が主導するアンモニア燃料船に係る安全ガイドライン・法規制等の整備に貢献することである。目標達成のため、日本国内の舶用エンジンメーカー、造船所、船級協会、海運会社が一体となり、研究開発段階から、エンジン開発、本船建造、商業化まで一貫して連携する。

背景として、2016年のパリ協定発効を機に、脱炭素化の世界的な機運が高まっていることが挙げられる。日本国政府も2050 年までにGHGの排出を全体としてゼロにし、カーボンニュートラルを目指すと宣言するなど、脱炭素社会の実現に向けたエネルギーシフトの動きがいよいよ加速しつつある。海運分野でもGHGの排出削減が喫緊の課題となっており、船舶用燃料を従来の重油から液化天然ガス(LNG)へ転換、さらに水素やアンモニアといった次世代のゼロエミッション燃料普及に向けて研究開発が進んでいる。

このような背景のもと、経済産業省は2050年までのカーボンニュートラルに向けてグリーンイノベーション基金事業を開始し、その一環であるNEDO助成事業にアンモニアを活用したエンジン搭載船舶の開発について応募、今回採択された。

【参照ページ】
アンモニア燃料国産エンジン搭載船舶の社会実装に向けた実証事業を開始

関連記事

“ランキングのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. ESRS開示の実態調査(2024年上半期)から見えた企業が抱える共通課題とは

    2025-4-1

    ESRS開示の実態調査(2024年上半期)から見えた企業が抱える共通課題とは

    CSRD(企業サステナビリティ報告指令)のオムニバス草案が提出され、欧州の開示規則が変わる中、20…
  2. ESGフロントライン:潮流を読む~SEC気候開示規則の弁護を放棄ー規制後退の中で問われる企業の姿勢と対応

    2025-3-31

    ESGフロントライン:潮流を読む~SEC気候開示規則の弁護を放棄ー規制後退の中で問われる企業の姿勢と対応

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-3-27

    【GPIF発表】「優れた統合報告書」と「改善度の高い統合報告書」選定結果

    3月11日、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、国内株式の運用を委託している運用機関に対…

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る