キリン、国内初ビール製造時の副産物から化粧品包材を開発

国内初、ビール製造時の副産物から化粧品包材を開発

12月15日、キリンホールディングス株式会社と株式会社ファンケルは、環境保護に関する取り組みの一環として、「キリン一番搾り生ビール」製造時の副産物であるビール仕込粕から抽出したヘミセルロースを用いて、国内の化粧品業界として初めて、化粧品包材を開発した。

本包材は石油由来の原料を使用せず、植物由来のヘミセルロースを採用することで、二酸化炭素の発生を抑え、地球温暖化防止に貢献することができる。

ファンケルは環境に配慮し、パウダーファンデーションなどのコンパクトケースを繰り返し使用する製品には、レフィルを販売して、コンパクトケースの再利用が出来るようにしている。現在、レフィルに使用している包材の材質には一般的な石油由来のPET素材を使用しているが、さらなる環境配慮を目指した包材の研究開発を行った。

キリンでは、ビールを製造する際の副産物であるビール仕込粕を所有しており、ヘミセルロースを原料とするバイオマスプラスチックの研究開発・製造をしている株式会社事業革新パートナーズの協力を得て、ヘミセルロースを効率的に抽出し、加工する技術研究を進めていた。本技術を応用し、ビール仕込粕由来のヘミセルロースを活用したレフィル用包材の研究を進めた。当包材に用いる樹脂材料およびシートの研究・開発・製造は、キリン、ファンケル、事業革新パートナーズが共同で行った。

今後、キリンは「一番搾り」のビール仕込粕から抽出したヘミセルロースで製造したシートを、さまざまな製品の包材に応用することも検討していくという。

【参照ページ】
国内初、ビール製造時の副産物から化粧品包材を開発

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