10月12日、丸紅はドイツの海運会社ガスケム・サービシズから長期用船するエチレン船「ガスケム・ドラート」で、世界初となる環境負荷の低いバイオ燃料を使った試験運航を実施したと発表した。本試験はオランダ・フリシンゲンから米国・テキサス州モーガンズポイント間で行われた。
今回使用したバイオ燃料は、英国の石油ガス大手BPの子会社であるBPヨーロッパが、低硫黄重油にISCC Standardの認証を受けた、バイオディーゼル燃料の一種で、廃食用油および再生可能な油資源を由来とする脂肪酸メチルエステル(FAME)を25%混合したものとなっている。
試験運航は、バイオ燃料の燃焼性や安定性といった技術的課題の有無を把握する目的で実施された。バイオ燃料は、従来の燃料と性質が類似しており、船に改造を加えることなく利用できるため即効性が高く、輸送過程の温室効果ガス(GHG)排出量削減が期待できる。
丸紅は、エチレン取扱量が世界トップクラスとされている。同社は、今後も低炭素化・脱炭素化に取り組む顧客のニーズに応じ、さまざまな環境負荷低減に資する持続可能性の高いサービスを提供する方針だとしている。
【参照ページ】
世界初、バイオ燃料によるエチレン船の航海実施について