Greenpeace、トヨタの生産拠点における気候変動リスクを分析

8月26日、環境NGOのGreenpeace東アジア支部は、トヨタの製造施設の93%が気候変動の影響から高いリスクにさらされているとの分析結果を発表した。

今回の調査は、Moody’s の物理的リスクに関するESGソリューション・データベースに基づくものだ。Greenpeaceによる調査の結果、トヨタの製造施設の93%が、少なくとも1つの気候変動による危険に対して「高リスク」または「危険信号」とみなされている。内訳としては、57%が「熱波」、38%が「水ストレス」、28%が「ハリケーン/台風」の「高リスク」以上にさらされている。

トヨタの生産拠点の多くは北米とアジア太平洋地域にあり、物理的なリスクは場所によって異なる。アジア太平洋・北米・欧州は、熱と水ストレスのリスクが最も高い地域として挙げられている。日本では、ハリケーン・台風による危険のため、トヨタの施設の100%が「高リスク」または「危険信号」になっている。

また、Moody’sが分析したオペレーションリスクでも、世界の自動車メーカーの中でトヨタが最も高いスコアになっている。本スコアは、6つの気候災害に対する施設の予測リスク(スコアの95%を占める)と社会経済リスク(スコアの5%を占める)に基づいて算出される。

Greenpeaceは、このような状況にも関わらずトヨタが自社施設に関連する気候リスクの開示に消極的な姿勢であると批判している。また、トヨタは気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の勧告に基づく情報開示はほとんど行っていないと述べている。

【参照ページ】
(原文)Over 90% of Toyota Manufacturing Facilities at High Risk due to Climate Change: Greenpeace
(日本語訳)Greenpeaceの調査:トヨタ自動車の9割以上の生産拠点が気候変動による高リスクに

関連記事

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2025-5-16

    EBA、EU域内銀行の気候リスク指数を初公開

    4月25日、欧州銀行監督機構(EBA)は25日、EUおよびEEA(欧州経済領域)域内の銀行セクター…
  2. 2025-5-16

    米国グリーンビルディング協会、持続可能な建築基準「LEED v5」を発表

    4月28日、米国グリーンビルディング協会(USGBC)はLEED(Leadership in En…
  3. 2025-5-14

    ニューヨーク市会計監査官、新たな排出削減基準を発表

    4月22日、ニューヨーク市会計監査官(Comptroller)のBrad Lander氏は、アース…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る