6月30日、第50回J-クレジット制度認証委員会において、一般社団法人日本クルベジ協会によるプロジェクトが第1号案件として、クレジット認証を受けた。
一般社団法人日本クルベジ協会によるプロジェクト名は、バイオ炭の農地施用によるCO2削減事業である。対象地域は全国で、今回認証された量は247t‐CO2であった。
バイオ炭は、「燃焼しない水準に管理された酸素濃度の下、350℃超の温度でバイオマスを加熱して作られる固形物」であり、土壌への炭素貯留効果とともに土壌の透水性を改善する効果が認められている土壌改良資材である。バイオ炭の原料となる木材や竹等に含まれる炭素は、そのままにしておくと微生物の活動等により分解され、二酸化炭素として大気中に放出される。しかし、木材や竹などを炭化し、バイオ炭として土壌に施用することで、その炭素を土壌に閉じ込め(炭素貯留)、大気中への放出を減らすことが可能になる。
2019年改良版IPCCガイドラインにおいて、「バイオ炭施用による農地・草地土壌での炭素貯留効果の算定方法」が新規に追加され、バイオ炭を農地土壌に施用することが温室効果ガスの貯留活動として認められた。
2020年9月、「バイオ炭の農地施用」がJ-クレジットにおいてクレジット化の対象となる取組に追加された。これにより、バイオ炭の農地への施用が、温室効果ガスの貯留活動としてクレジット化され、「環境価値」として取引できる形になった。
同協会は、2021年1月、J-クレジット制度を活用したバイオ炭の農地施用を活動目的とする「炭貯クラブ」を発足している。