経産省、「カーボン・クレジット・レポート」を公表

 

6月28日、経済産業省「カーボンニュートラルの実現に向けたカーボン・クレジットの適切な活用のための環境整備に関する検討会」は、カーボン・クレジットの活用に関して基本となる情報や今後のあり方を整理した「カーボン・クレジット・レポート」を公表した。
また、本検討会に関連して経済産業省が実施するカーボン・クレジットの市場取引に関する実証事業について、委託先である東京証券取引所が、制度骨子の公表及び実証参加者の応募を開始した。

本検討会では、カーボンニュートラル社会を目指す上でのカーボン・クレジットの位置づけの明確化やカーボン・クレジット市場の創設に向けた方向性の具体化を目的に、2021年12月から2022年6月まで計4回の議論と計9回のヒアリングを実施し、カーボン・クレジットの活用のあり方について需要・供給・流通の面から一体的な検討を進めてきた。

本検討会における議論の成果をまとめた「カーボン・クレジット・レポート」について、4月から募集していたパブリックコメントを踏まえ、修正を行った上で公表に至った。

「カーボン・クレジット・レポート」では、カーボン・クレジットの定義・要件等の基本的な事項や、国内外の動向、我が国におけるカーボン・クレジットの課題を整理するとともに、残余排出をオフセットする手段としてのカーボン・クレジットの位置づけや、活用時の情報開示のあり方など、適切な活用のための方向性と具体策を提示している。

需要面での取組では、カーボンクレジットの多様性を踏まえた活用の道筋の明確化と情報開示の推進を提示している。供給面では、NDCの達成に資するカーボン・クレジットの創出拡大、J-クレジット制度によらない炭素呼吸系・炭素除去クレジットの創出拡大、カーボン・クレジットを活用した製品・サービス・イベントによる行動変容の促進について。流通面では、カーボン・クレジット市場の創出、取引安定性確保のためのカーボン・クレジットに係る法的・会計・税務的扱いの明確化について提示した。

【参照ページ】
「カーボン・クレジット・レポート」及び本年9月から実施するカーボン・クレジット市場の実証事業に係る制度骨子が公表されました

関連記事

“イベントへのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  2. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…
  3. 2024-3-26

    【さくっと読める】ESGスコアとは。基本的知識を解説。

    今月から、サスティナビリティ情報開示で関心の高いテーマについて、さくっと読める解説コラムを発行して…

ピックアップ記事

  1. 2024-4-12

    BCG支援のVC、Bキャピタル、気候変動プラットフォームのリードへ向け新たな幹部を発表

    4月8日、マルチステージのベンチャー投資会社であるBキャピタルは、気候変動投資プラットフォームの拡…
  2. 日本、IFRSベースのサステナビリティ報告基準案を公表

    2024-4-11

    SSBJ(サステナビリティ基準委員会)、IFRSベースのサステナビリティ報告基準案を公表

    4月3日、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)は、IFRS財団の国際サステナビリティ基準委員会(…
  3. 2024-4-11

    ブラックロック、ESG政策を理由に1.3兆円の資産売却を決定したテキサス州を「無謀」とし、再考を促す

    3月21日、ブラックロックは、テキサス州教育委員会がエネルギー企業への「ボイコット」とESG投資慣…

アーカイブ

ページ上部へ戻る