6月29日から、220億ドル(3兆円)の資産を保有する株主が、三菱商事、三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)、そして日本最大の火力発電事業を保有するJERAを共同所有する東京電力ホールディングスと中部電力の4社に対し、気候リスクの管理を改善するよう訴えた。
株主提案の提案元には気候ネットワーク、マーケット・フォースが団体として、350.org Japan、 FoE Japan、レインフォレスト・アクション・ネットワークに所属する個人が含まれている。
三菱商事への株主提案では、パリ協定目標と整合する中期および短期の温室効果ガス削減目標を含む事業計画の策定開示への賛成が20%、新規の重要な資本的支出と2050年温室効果ガス排出実質ゼロの達成目標との整合性評価の開示への賛成が16%であった。
東京電力ホールディングスへの株主提案では2050年炭素排出実質ゼロへの移行における資産の耐性の評価報告の開示への賛成が9.55%であった。
中部電力への株主提案では、2050年炭素排出実質ゼロへの移行における資産の耐性の評価報告の開示への賛成が19.9%であった。
三井住友フィナンシャルグループへの株主提案では、パリ協定目標と整合する短期および中期の温室効果ガス削減目標を含む事業計画の策定開示への賛成が27%、IEAによるネット・ゼロ排出シナリオとの一貫性ある貸付等への賛成が10%であった。
以上の株主提案の議決結果は、気候変動によるリスクの高まりとビジネス慣行の一致に課題を抱える企業に対して、これまで以上に厳しい目が向けられていることを意味する。このような深刻な脅威に対抗するための行動を求める機関投資家や株主の強い機運が高まっている。