6月22日、小野光彦外務報道官はODAによる「マタバリ超々臨界圧石炭火力発電計画フェーズ2」支援の中止を発表した。 本事業は、バングラデシュ南東部のマタバリ地域に、出力約1,200MWの高効率の発電所を建設する案件だった。
日本は、2021年6月のG7首脳会合において、排出削減対策が講じられていない石炭火力発電への政府による新規の国際的な直接支援を、2021年中に終了することに合意をした。その際に、既に実施に向けた手続を行っている案件については、「新規の支援」には当たらないと整理をし、相手国政府との協議を重ねた。今般、バングラデシュの「マタバリ超々臨界圧石炭火力発電計画フェーズ2」の事業について、石炭火力をめぐる国際的な議論の潮流も踏まえつつ、バングラデシュ側とも協議の上、円借款案件として、これ以上進めないこととした。
マタバリ地域の開発を含むバングラデシュの経済社会開発に対しては、今後も協力をしていく。引き続き、途上国の固有の事情をも踏まえ、多様なエネルギー源や技術を活用しつつ、脱炭素社会に向けた現実的な移行を包括的に支援する。
既に円借款供与に向けた手続きを行っていた案件としては、インドネシアにおける「インドラマユ石炭火力発電所」という案件がある。しかしながら、本計画については、インドネシア政府自身が実施しない方針であり、日本政府も円借款支援はこれ以上検討しないことを決めた。日本は、インドネシアを含む各国の実情に応じた脱炭素化とエネルギー移行を支援していく方針である。
【参照ページ】
小野外務報道官会見記録