6月1日、株式会社三菱ケミカルホールディングスは、プロトタイプのスマートフードチェーンシステム完成と同システムの2022年度からの本格実証試験の開始を発表した。
同社が代表機関を務める SIP「『スマートバイオ産業・農業基盤技術』スマートフードチェーンコンソーシアム 大項目3輸出プラットフォーム」は、2018年10月より、SIP 研究開発モデル事業に採択された「スマートフードチェーンプラットフォームの構築」プロジェクトに取り組んできた。
本プロジェクトは、ブロックチェーンを活用したデータ連携によるスマートフードチェーンシステムにより、生産者の情報提供や輸送中の温度管理を行うことで、日本の農林水産物や食品の価値を向上させ、輸出の拡大を図るとともに、フードロスの削減につなげることを目指す。
本プロジェクトによるスマートフードチェーンの代表的な構成は以下のとおりである。
1)スマートフードチェーンシステム概要
生産者や物流倉庫、小売店において、トレイサビリティ情報として輸送経路、輸送時の温度や衝撃等の情報を取得する。これらの情報はブロックチェーン技術を用いて記録することで情報改ざんを防ぎ、情報の正しさを担保する。NTTデータの BlockTrace for Cold Chainおよび DX プラットフォーム「iQuattro 」を活用したトレイサビリティシステムに記録された情報は小売店での品質担保や消費者向けの情報発信に活用され、安心・安全を届けることが可能である。
2)RFID 温度ロガータグを活用した温度管理
RFID 温度ロガータグをスマートフードシステムの情報連携基盤となるスマートフードチェーンプラットフォーム ukabisと接続し、NTTデータが開発したブロックチェーンを活用したスマートフードチェーンシステムへの書き込みを可能とした。
スマートフードチェーンシステムは生産者、流通業者、消費者の情報連携をおこなうとともに、日本産食品輸出拡大においてグローバルな日本食品の価値向上につながると考えている。また、SDGs貢献の市場展開(サステナブルチェーンの構築、サステナブルな製品・サービスへの転換など)を推進する役割へステップアップすることを期待している。
【参照ページ】
戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)が取り組むスマートフードチェーンシステムの実証試験開始について