ESRS開示の実態調査(2024年上半期)から見えた企業が抱える共通課題とは

ESRS開示の実態調査(2024年上半期)から見えた企業が抱える共通課題とは

CSRD(企業サステナビリティ報告指令)のオムニバス草案が提出され、欧州の開示規則が変わる中、2024年にはすでにCSRD/ESRS(欧州サステナビリティ報告基準)に準拠した開示が始まっていた。ESRAG(欧州財務報告諮問グループ)は、本開示について2024年上半期の開示について調査を行い、多くの企業がつまずいている課題のひとつとに「データの壁」をあげていた。

また、EFRAGの最新レポートによれば、約7割の企業がマテリアリティ評価やバリューチェーン分析において、情報不足や管理体制の課題に直面しているとのこと。本記事では、2024年上半期の実態調査をもとに、企業が直面する共通課題と、その打開に向けて取るべきアクションを紐解いていく。

2024年上半期の調査とは

EFRAGは、2024年7月に「IMPLEMENTATION OF ESRS: Initial Observed Practices from Selected Companies (ESRSの実施状況:選択された企業からの初期観察)」報告書を公開した。本調査の目的は、企業のESRS開示の進捗状況や課題を特定し、企業がどのように新たな持続可能性基準に対応しているかを明らかにすることである。

具体的には、以下の点を詳細に分析した。

  • ESRSに基づく情報開示の現状:どの程度の企業が基準に準拠しているのか。
  • ダブルマテリアリティ分析の実施状況:企業が環境および社会に与える影響と、これらが財務に及ぼす影響をどのように評価しているか。
  • 主要な開示項目の選定傾向:企業が特に注目しているESG指標は何か。
  • サプライチェーン(バリューチェーン)への影響:企業の持続可能性開示がサプライヤーや関連企業に与える影響。
  • ガバナンス体制の整備状況:取締役会や企業の上層部がどのようにESRS対応を進め


つづきは無料会員登録(名前・メール・会社名だけ入力)を行うと閲覧可能!!

会員登録の4つの特典

定期便!新着のESGニュース

読み放題!スペシャリスト解説

速報!お役立ち資料・ツール

会員特別イベントのご案内!

すでに登録済みの方はログイン

執筆者紹介

ESG Journal 編集部
専門知識を備えたライター陣と鋭い視点を持つ編集チーム。国内外の最新動向の発信と独自の解説。企業のサステナビリティ情報開示の向上を目指す実践的な資料と価値ある情報の提供。3000人を超えるサステナビリティ担当者や関心の高い会員に支持される情報源。持続可能な未来を支える情報基盤。

関連記事

“ランキングのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 【新着】EUDR簡素化が公表でどう変わる?最新動向と企業の対応ポイントを整理

    2025-4-17

    【新着】EUDR簡素化が公表でどう変わる?最新動向と企業の対応ポイントを整理

    EUにて2024年に導入が予定されていた森林破壊防止規則(EUDR)は、2025年12月への適用延…
  2. 2025-4-16

    IAGとマイクロソフト、最大規模のスコープ3持続可能航空燃料(SAF)契約を締結

    4月2日、インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)とマイクロソフトは、業界全体のライフ…
  3. 気候変動リスクを財務諸表にどう反映する? 開示のポイントと実務対応

    2025-4-15

    気候変動リスクを財務諸表にどう反映する? 開示のポイントと実務対応

    ISSB(国際サステナビリティ基準審査会)やSSBJ(サステナビリティ基準委員会)が気候変動リスク…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る