エネルギー企業であるトタルエナジー社と世界的なトラックメーカーであるダイムラートラック社は、欧州における道路貨物の脱炭素化に向けた取り組みの一環として、大型トラックの水素エコシステムの開発を目的とした新たなパートナーシップを発表した。
具体的には、水素の調達と物流、サービスステーションでの水素供給、水素を搭載したトラックの開発、顧客基盤の確立などを目指す。また水素トラックの運用にかかる総所有コスト(TCO)を削減するための方法も検討していく。
水素はクリーンなエネルギーキャリアーや燃料として、またグリーンケミカル製造のためのCO2ニュートラルな原料として機能することから、クリーンなエネルギーの未来への移行のための重要な構成要素の一つと考えられている。工業生産や輸送などの分野で広く水素を利用するためには、生産、インフラ、導入に多額の投資が必要となる。
メルセデス・ベンツ・トラックのCEOであり、ダイムラートラックの取締役でもあるKarin Rådströmは、次のように述べている。
「私たちは、パリ協定に全面的にコミットしており、欧州連合における道路貨物輸送の脱炭素化に積極的に貢献したいと考えています。長距離貨物の分野では、純粋なバッテリー駆動のトラックだけでなく、水素を燃料とする燃料電池トラックによっても、将来的にCO2ニュートラルな輸送が可能になると確信しています。そのために、トータルエナジー社のような強力なパートナーとともに、汎欧州的な水素エコシステムを構築したいと考えています。今回の提携は、水素トラックの普及に向けた活動を強化する上で、重要な役割を果たすと確信しています。」
このコラボレーションの一環として、ダイムラートラックは、2025年までにオランダ、ベルギー、ルクセンブルク、フランスの顧客に水素を燃料とするトラックを供給する予定だ。またトータルエナジー社は、2030年までにドイツ、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、フランスで最大150の水素ステーションを運営することを目指している。
【参照ページ】
(原文)TotalEnergies and Daimler Truck AG Partner to Develop Hydrogen Ecosystem for Transportation in Europe
(日本語訳)ダイムラートラックとトタルエナジー、が大型トラック用の水素エコシステムで提携