
5月20日、 カナダを拠点とするカーボン除去プロジェクト開発会社のCO280は、米大手金融機関JPモルガン・チェースとの間で、炭素除去(CDR)オフテイク契約を正式に締結したことを発表した。この契約は、米国メキシコ湾沿岸のパルプ・製紙工場におけるバイオマス起源のCO₂を回収・永久貯留するプロジェクトに基づくもので、CO280とJPモルガン・チェースが2023年に締結した基本合意に続くものだ。
契約により、JPモルガン・チェースは今後13年間で総計45万トンのCO₂換算量(mtCO₂e)を1トンあたり200ドル未満で購入する。これは、高品質なエンジニアドCDRとしては業界でも最も低価格帯に位置し、今後の普及拡大に向けたコスト低下の兆しとして注目されている。
CO280は既存の製紙工場を改修してCO₂を回収・地下貯留し、これを企業向けにCDRクレジットとして販売。今回のプロジェクトではSLB Capturiの技術を導入し、今後も10件以上の同様のプロジェクトを進行予定だ。
米国のパルプ・製紙業界は、地域経済にとって重要な産業であり、今回の取り組みは雇用や競争力の強化にもつながる。CO280はこのモデルを通じて、カーボン除去と産業活性化を両立させることを目指している。
JPモルガン・チェースは「CO280のようなスケーラブルでコスト効率の高いCDRは、脱炭素化のカギ」とし、継続的な支援を表明した。
(原文)CO280 and JPMorganChase Sign Carbon Removal Offtake Agreement, Unlocking Investment in the U.S. Pulp and Paper Industry
(日本語参考訳)CO280とJPモルガン・チェースが炭素除去オフテイク契約を締結、米国パルプ・製紙業界への投資を拡大