
5月8日、米IT大手グーグルが、先進型原子力発電プロジェクトの開発を手掛けるElementl Power社と戦略的提携を結んだことが、7日発表された。グーグルは計画初期段階の資金提供を行い、米国内で600メガワット以上の発電能力を持つ拠点を少なくとも3か所開発することを目指す。再生可能エネルギーと並ぶ「24時間稼働のクリーン電源」として、原子力の位置づけが一段と高まる。
Elementl Powerは規制下の電力会社や独立系発電事業者、技術供給企業と連携し、2035年までに米国内で10ギガワットを超える原子力発電の運用開始を目標としている。同社クリス・コルバート会長兼CEOは「このような革新的な提携が新たな原子力発電所建設に必要な資本動員を可能にし、安全で手頃な価格のベースロード電源を供給できる」とコメント。グーグル、データセンターエネルギー部門のアマンダ・ピーターソン・コリオ氏は「AIや米国のイノベーション需要に応えるため、高速での開発が不可欠。今回の提携がグーグルの電力調達戦略を一層推進する」と述べた。
提携により、各拠点では省エネルギー性や安全性に優れた先進型原子炉技術の導入を検討。商業運転開始後はグーグルによる電力の購入オプションも予定されている。今後は現地パートナー企業や建設・エンジニアリング企業との連携強化、用地選定など実施計画の具体化を加速する。
Elementl Power社共同創業者兼社長のライアン・ミルズ氏は「グーグルとの協業は、当社成長における大きな転機」と述べた。同社は2022年設立で、クリーンなベースロード電力調達のためのワンストップソリューションを提供し、持続可能な電力供給モデルを構築することを目指している。
(原文)Elementl Power and Google Sign Strategic Agreement to Develop Locations for Advanced Nuclear Projects
(日本語参考訳)エレメンタルパワー社とグーグル社、先進原子力プロジェクトの立地開発に関する戦略的契約を締結