エアープロダクツ、欧州最大の「ブルー」水素プラントを建設へ

エアープロダクツ、欧州最大の「ブルー」水素プラントを建設へ

11月6日、産業ガス会社のエアープロダクツは、同社が所有・運営する既存のロッテルダム水素製造工場に、最先端の炭素回収・CO2処理施設を新設する欧州最大の「ブルー水素」工場の計画を発表した。

この施設は2026年に稼働する予定で、エアープロダクツの水素パイプライン・ネットワーク・システムを通じて、エクソンモービルのロッテルダム製油所およびその他の顧客に供給される。エアープロダクツによると、このプロジェクトはエクソンモービルおよびオランダ国との長期契約の一環として実施される。

水素は、クリーンなエネルギーの未来への移行における重要な構成要素のひとつと考えられており、特に、風力や太陽光などの再生可能エネルギーによる解決策が現実的でない、排出量の削減が困難な産業部門や運輸部門にとって重要である。

現在、その大部分は化石燃料を使用して採掘され、汚染物質や温室効果ガス(GHG)を排出している。ブルー水素は、天然ガスを水素とCO2に変換することで製造され、回収されたCO2は永久に貯蔵される。

この新しいプロジェクトでは、エアープロダクツの炭素回収装置は、同社の既存の水素プラントとエクソンモービルのロッテルダム製油所からCO2を回収し、プラントは世界最大級の炭素輸送・貯蔵プロジェクトであるPorthosに接続される。エアープロダクツとエクソンモービルは、シェル、エア・リキードとともに、オランダ政府によって選定されたコンソーシアムの一員であり、このほど最終投資決定が下されたポルトス・プロジェクトに参加する。

Porthosシステムを使用し、新施設で回収されたCO2は、沿岸から約20キロ離れた北海の枯渇ガス田に輸送され、そこで海底下3キロ以上の深さに永久貯蔵される。

【参照ページ】
(原文)Air Products to Build Europe’s Largest Blue Hydrogen Plant and Strengthens Long-term Agreement
(日本語参考訳)エアープロダクツ社、欧州最大のブルー水素プラントを建設、長期契約を強化

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…
  2. TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2025-6-11

    TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2024年にTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-…
  3. 進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    2025-6-6

    進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    サステナビリティ情報開示の高度化が急速に進んでいる。TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)…

ピックアップ記事

  1. SSBJ(気候関連開示基準)とGX-ETSの共通点とは?~比較解説と実務効率化~

    2025-8-14

    SSBJ(気候関連開示基準)とGX-ETSの共通点とは?~比較解説と実務効率化~

    日本企業にとって、2026年から「気候変動対応・開示」は、企業価値を左右する重要な経営課題になるで…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-11

    バークレイズ、サステナブルファイナンスで累計2,200億ドルを達成

    7月29日、英国大手銀行バークレイズは、2025年上半期のサステナビリティ投資家向けプレゼンテーシ…

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る