EU理事会、上場企業の取締役会におけるジェンダーバランスを改善する規則を承認

 

10月17日、EU理事会は上場企業の取締役会におけるジェンダーバランスの改善を促進することを目的とした、新しい規則の承認を発表した。

欧州男女共同参画研究所(EIGE)の最近の調査によると、EUの大学卒業生の約60%が女性である一方、企業の取締役会での女性の割合は著しく低く、取締役全体の31.5%、取締役会長の8%を占めるに過ぎない。

新規則では、2026年までに非業務執行取締役に占める女性の割合を40%、執行取締役と非業務執行取締役の両方に規則を適用している加盟国では全取締役の33%にすることを上場企業の目標としている。また、同等の資格を持つ候補者の中から選ぶ場合は、女性の比率が低い方の候補者を優先するよう指示されている。

また、これらの目標を達成できない企業に対しては、明確かつ中立的な基準を用いて候補者を比較評価する「公正で透明性のある選考・任命手続き」を導入するよう求めている。

さらに、本規則では、企業は取締役会の男女比率と目標達成のための施策について毎年報告することが求められ、加盟国は目標を達成した企業のリストを公表することになっている。

本規則が法律として採用されるためには、今後、欧州議会での採択が必要となる。規則の発効後、加盟国は2年以内にこの措置を採用することになる。

【参照ページ】
(原文)Council approves EU law to improve gender balance on company boards
(日本語訳)EU理事会、上場企業の取締役会におけるジェンダーバランスを改善する規則を承認

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…
  2. TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2025-6-11

    TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2024年にTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-…
  3. 進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    2025-6-6

    進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    サステナビリティ情報開示の高度化が急速に進んでいる。TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)…

ピックアップ記事

  1. 2025-8-18

    金融庁、EDINET新タクソノミ案公表 27年版ではサステナ情報開示も検討

    8月8日、金融庁は企業の有価証券報告書などで利用される電子開示システム「EDINET」の基盤となる…
  2. SSBJ(気候関連開示基準)とGX-ETSの共通点とは?~比較解説と実務効率化~

    2025-8-14

    SSBJ(気候関連開示基準)とGX-ETSの共通点とは?~比較解説と実務効率化~

    日本企業にとって、2026年から「気候変動対応・開示」は、企業価値を左右する重要な経営課題になるで…
  3. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る