11月2日、スウェーデンの工業製品メーカー、アルファ・ラバルが、クリーンエネルギーへの世界的移行から生まれる水素分野のビジネスチャンスを獲得することを目的とした新事業部門、電解槽・燃料電池技術の立ち上げを発表した。
水素は、クリーンなエネルギーへの移行、特に排出削減が困難で、風力や太陽光などの再生可能エネルギーが実用的でない産業や運輸部門にとって、重要な構成要素の一つと考えられている。
現在、世界全体で約9,400万トンの水素が生産されているが、その大部分は化石燃料を使って採掘されているため、汚染物質や温室効果ガス(GHG)が排出されている。
他の物質から水素を抽出するプロセスに再生可能エネルギーを使用するグリーン水素など、クリーンな水素製造能力を開発するには、インフラ、電解、輸送、貯蔵などの分野に大規模な投資が必要である。
アルファ・ラバルの新事業部門は、再生可能エネルギーを利用して水を水素と酸素ガスに分解する電解槽と、水素と酸化剤の化学エネルギーを電気化学反応によって電気エネルギーに変換する燃料電池に重点を置く予定である。同社は過去3年間、電解槽と燃料電池の分野で先駆的な製品とソリューションを提供してきたが、今回これらの分野に特化した専門部署を設立するという。
また、熱交換器、燃料電池、電解槽コンポーネントに特化したイノベーションセンターの計画も発表し、これらの分野の技術革新、研究開発、試験に焦点を当て、最大の熱交換器工場があるルンドの本社を拠点とする。アルファ・ラバルは、これらの取り組みに必要なリソースや設備への投資は多大なものになると付け加えた。
新事業部門は、電解槽・燃料電池技術担当社長に任命されたマドレーン・ギルボーンが率いる。ギルボーンは現在、クリーンテクノロジー部門長兼エネルギー部門副社長を務めている。
アルファ・ラバルによると、新事業部門は2024年初頭までに設立され、エネルギー部門の一部を構成する予定である。
【参照ページ】
(原文)Alfa Laval – Capturing the potential in the hydrogen sector
(日本語参考訳)アルファ・ラバル – 水素セクターの可能性を捉える