
5月7日、米テクノロジー大手マイクロソフトは7日、米国西部の森林管理事業を展開するEFM社と、最大3百万の自然由来カーボン除去クレジットの購入および関連ファンドへの出資契約を結んだと発表した。マイクロソフトが国内で進めるカーボンマイナス目標達成に向け、森林管理を活用した大規模な温室効果ガス削減の枠組みが動き出す。
この新たな契約では、ワシントン州オリンピック半島の新たに取得した森林を対象に、今後10年間で最大70万件のカーボンクレジットを確保。EFMは同地で、伐採周期延長や選択伐採など、持続可能な「気候スマート森林経営」に移行し、従来の木材収益に加えカーボンクレジットなど多様な収益源を見込む。
さらに、マイクロソフトの「Climate Innovation Fund」は、EFMの基金「Fund IV」に出資。この基金は全米で3億ドル規模の持続可能な森林管理事業を目指しており、同ファンド経由で将来的に最大230万件の追加クレジット供給も期待される。なお、Climate Innovation Fundが米国内の森林事業に投資するのは今回が初めてとなる。
EFMのベティナ・フォン・ヘーゲン最高経営責任者は「マイクロソフトの参画は高品質な森林管理プロジェクト拡大への大きな転機。天然林の重要性が米国でもより強く認識される」とコメント。マイクロソフトのエネルギー&カーボン除去担当シニアディレクター、ブライアン・マーズ氏も「当社が掲げる2030年カーボンマイナス達成へ、先端科学に基づく森林管理の価値を最大限引き出す」と強調した。
今後は西部森林を中心に、地域社会や生態系保全と収益安定を両立するモデル構築を進めるとともに、森林の二酸化炭素吸収量や生物多様性、水質保全など多面的な価値の創出を図る方針だ。マイクロソフトは、今後自社ウェブサイトでも森林管理型カーボン除去の進捗や取り組み内容を公開する予定。
(原文)EFM signs deal with Microsoft for purchase of Carbon Removals and Fund investment
(日本語参考訳)EFM、カーボンリムーバル買収とファンド投資でマイクロソフトと契約